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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十七話『八千年之神狐(やちとせのみこ)』
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が、目立ち方として割を食ってしまったのである。
(それ以上に、自分たちが褒められてないのが、ふてくされている一番の原因だな……)
「それよりも、頑張られたのは箒さんと鈴さんですわ。お二人とも、お疲れ様です」
「そうだな、うん。二人ともお疲れ様っ!!」
機嫌を損ねる二人に気付いたか否か、セシリアはさり気なく二人をフォローする。一夏もそれに気がつき、満面の笑みで二人をねぎらった。
「いや……べ、別に……大したことは……してないっ……!」
「お……おだてたって、約束のことは……許さない……んだからっ……!」
二人とも顔を赤くし、もじもじしながら一夏に返答する。
それを一夏は、何か不味かったのだろうかと、怪訝そうに見るのだった。
(常識力は付いても、鈍感力は相変わらず、か……)
修夜は、えらくまともになったかと思った一夏に対し、おそらく最重要である一点だけは相変わらずなことに、力無くうなだれるのだった。

――ピリリ、ピリリ

そんな寸劇のさなか、五人のISからアラーム音が、一斉に鳴り響いた。
「修夜、これって……!?」
「あぁ、多分な」
一夏が驚きと期待の眼差しで修夜に問いかけ、修夜もそれが期待通りだと、首を縦に振る。
期待を抑えきれないのか、一夏は中空電子画面(マルチモニター)に触れて
〔みなさん、こちらAモニタールーム。聞こえますか……!?〕
そこから聞こえてきたのは、Aモニタールームでアリーナのシステムを奪還すべく、拓海のサポートをしていた真耶の声だった。
「山田先生、俺です、織斑です!」
「織斑君……!?」
「はい!」
〔よ……よかった〜〜……〕
通信に威勢よく返答する一夏の声を聞いて、真耶は早くも涙声になりかける。
よほど心配していたに違いない。
〔修夜、聞こえてる?〕
「拓海か、お疲れさん……」
次に聞こえてきたのは、システム奪還の功労者である拓海の声だった。
〔そっちこそ、お疲れ様。とりあえず、通信妨害(ジャミング)の音声妨害をしていたプログラムを排除したから、テストも兼ねて通信して見たんだよ〕
「なるほど、映像が無いのはそういうことか」
修夜が拓海の答えに納得していると――
〔それにしても、どうして最後の方は女の子たちに、全部放り投げたんだい?〕
拓海たちには、唯一こちらの状況の判別できるものとして、バトルフィールド内のカメラからの映像があり、それを用いてこちらの戦況を窺い知っていたのだ。
「……不機嫌な鈴をあれ以上刺激すると、揉め事の種でしかないからな……」
修夜はばつが悪そうに小さく言い捨てると、面倒くさそうに鈴の方を見る。
〔なるほど、自分が加わって変に鈴を刺激するよりは、あれだけのダメージなら放任して三人で行かせる方が、変な軋轢を生まずにすむってことか……〕

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