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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十六話『総力結集、少女たちの戦い』
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てやれば倒れるわよ。
 アタシの大事な試合、台無しにしたらどうなるか、思い知らせてやるんだから……!!」
自分と一夏との間にある約束を巡り、戦っていたはずの試合。それを台無しにされたことが、かなり鶏冠にきているらしく、一発どころか、その二本の出刃包丁で粗みじんにしそうな勢いである。制止する一夏も、その怒気にあてられ、いつもの弱腰が出てしまっている。
「待て、凰……!」
ぐいぐいと前に出る鈴を、箒が前に出て止めにかかった。
「ちょっと、どきなさいよ……!」
「勢いだけで攻めようとしても駄目だ。いくら死にかけでも、ヤツのしぶとさは侮っていいものじゃないっ……!」
事実、普通の操縦者ならシールド切れ以前に昏倒していそうな攻撃を、あの無人機は自分が機械であることを最大限に利用し、すでに何発も耐え抜いている。
「だったらナニ……、アンタがやるっていうの?」
「そうじゃないっ、感情任せに独りで突っ込むのが危険だと……!」
「ナニよっ、国家代表候補生に向かって、ただの一般生徒(ていへん)が口はさんでくるっていうの!?」
怒りで先走る鈴を抑えようと説得にかかる箒だが、鈴のほうはあくまで自分で片を付けないと気が済まないらしい。加えて、もともと箒への心証が良くないこともあって、鈴の口はさらに悪くなっている。
「てっ……て…い…底辺だと……!?」
この言葉には、箒も個人的な怒りを禁じえなかった。
「自慢じゃないがな、これでも中学生剣道で全国一をもぎ取ってきたんだ、私はっ!!」
「たかが中学生のショボイ大会じゃないっ、私は中国人口十数億の中の精鋭なのよっ?!」
段々とケンカ腰になっていく二人を見て、修夜はイライラし、一夏は戸惑い、セシリアはかぶりを振りながら嘆息した。
「いい加減にしなさいよ、このスイカ女……!」
「スイカ女じゃない、篠ノ之箒だ!!」
「箒だかチリトリだか知らないわよ、そんな無駄な脂肪が付いていてまともに戦えるワケ?」
「む…胸は関係ないだろっ……!!
 だいたい、こんなもの増えたところで、恥ずかしいだけで、何の得にも……!」
「……っ、その無駄な脂肪で一夏を誘惑しておいて、しら切ってんじゃないわよ、牛女っ!!」
「ゅゅゅ…わ……なな…なんで、私がそんなはしたない真似なんて……!?
 それを言うなら、あんな強引な迫り方で、一夏に迷惑がかかるとは思わなかったのか!?」
「せっ…迫るって……、誰があんな優柔不断で最低でへらへら野郎なんかにっ……!?
 ぁぁ…あたしは単純に、だらしない一夏を…き……鍛え直そうって…思って……!」
この非常事態に、このくだらないケンカである。
(これって、ご本人を目の前にして“告白”しているのも、同然なんですけど……)
イライラする修夜と、オロオロする一夏を心配しつつ、箒と鈴のケン
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