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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十六話『総力結集、少女たちの戦い』
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箒の方に集中して襲いかかった。
(不味い!?)
そう思うが、見えた週間では命中は避けられない。
そのはずだったが、急に箒の体は、鈴が短距離加速を発動させたときと同じように、機敏に右に横滑りし、難なくビームの回避に成功する。
「なっ……!?」
急な現象に戸惑うも、ふと目に飛び込んだ中空電子画面(マルチモニター)に、あるものが表示されていた。

≪機動補助スラスター-【闇行】≫
≪機敏な動きをあなたに授けます。≫

そこにはそんな文字列と、背中に追加されていた四つの謎のハンドボール大の球体パーツが映し出されていた。
(機敏……。さっきの凰みたいに……?)
そんな疑問もつかの間、再び弾幕が箒に牙をむく。
「えぇいっ、ものは試しだ!!」
意を決し、箒を頭の中で自分の動きたい方向を強く念じてみる。
すると打鉄改S型は、「闇行」を駆使して鈴のように鋭い軌道で弾丸を次々に避けていく。
(すごい……。これだけ動ければ、本当に篠乃之流剣術がISで使える……!)
箒は【闇行】の性能に、高揚感を覚えずには居られなかった。
『箒さん、そこを離れてくださいませ!!』
しかし、それもセシリアの警告を聞き、すぐに平静に戻る。
慌てて箒が退避するのを見計らい、セシリアはしっかりと狙いを定め、溜めこまれた星の光の戒めを解くべく、引鉄を引いた。
すると、なんとも形容しがたい甲高い音とともに、普段の何倍もの太さの青白い閃光が、その銃口から発射された。その光は一瞬で空を裂き、無人機の頭上を誤らずにとらえ、突き進んでいく。
シールドと閃光のぶつかる場所で、激しいせめぎ合いが起こる。
無人機もこれに反応し、回転しつつも、全力で局所バリアーシールドを頭上に集約させ、回転でいなしながら必死に耐え抜く。
やがてその閃光も収束し、無人機が耐え抜いた、そのとき――
「消し炭になりなさいっ!!」

――ずがぁぁああん!!

大気を叩き割らんばかりの爆音が、アリーナ中に響く。
甲龍の【龍砲】が解き放った圧縮モードでの一撃は、薄くなったバリアーシールドの内側まで達し、物理装甲に亀裂を生じさせた。さしもの無人機も、これほどの衝撃には耐えきれず、スラスターを停止させて回転運動をやめざるを得なくなった。
だが無人機は、まだ活動を停止させない。
全身から煙と電流を発しながらも、まだ踏みとどまって立ち、その眼から力は潰えてはいない。

その姿に、三つの影は同時に弾き出される。

「はぁぁぁあっ!!」
「でぇぁぁあっ!!」
「やぁぁぁあっ!!」

正面、側面、上空。三機五閃の刃が、互いの意図を確認せず、同時に鋼鉄の巨体に、己の意地と必殺の意思を刻み込む。
五つの剣閃は、崩壊寸前の“魔の盾”を破り、その装甲に深く斬り込んでみせた。
そのうち、鈴の
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