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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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戦でセシリアは、これがたたって試合後に気絶したことがあった。
「お前ら、シールドの方は……?」
修夜が状況確認のため、二人に問いかける。
「俺は……、714」
「わたくしは……、921……ですわ」
一夏は執拗な攻撃にさらされて。セシリアはビットを操作する関係で、反撃をギリギリで避けることが多いため、この数値となった。
「……俺は、927だな」
修夜もセシリアと同様、攻撃に専念する一方で、不意の反撃を紙一重で回避していた。
皆一様に、徐々に疲労の色が濃くなっていた。
シールドの値以上に、体力と精神力を削られていく一同。
特に一夏は、もう1時間を超えて飛びっぱなしであり、目に見えて息切れしてきていた。
一方、所属不明機はあれだけの猛攻を掻い潜りながら、まったく疲労する様子を見せない。
『おいっ、真っ黒野郎。なんで俺ばっかり狙ってくるんだ、理由を言いやがれっ!!』
マイク機能で盛大に怒鳴る一夏だが、問われた方はまるで聞いていない様子である。
『一応俺からも聞きたい、お前の目的はなんだ?
 どうやって“海上要塞”といえるIS学園に侵入したかは解らないが、なぜ戦闘行為をする?
 事と次第によっては、俺はお前を容赦なく叩きのめすっ……!!』
「…………」
「やっぱ、無言かよ……」
一夏に便乗するかたちで問いただした修夜だったが、所属不明機はこれも無視。
「そもそも、言葉が通じているのかどうか……」
セシリアが怪訝そうに言った直後、所属不明機は再びこちらに突っ込んでくる。
三人ともとっさに身構え、疲労感を押し殺して迎撃の姿勢に入った。

その瞬間――
上空から両者のあいだに碧緑の閃光が走り、所属不明機の進行を阻害する。
三人が上空を見上げると、そこには白銀の鎧をまとった女武者の姿があった。
「あれは……」
「ほ……箒っ……?!」
「何なんですの、あのISは……!?」
そこにいたのは、間違いなく箒だった。しかし、彼女のISは先ほどまでの打鉄とは違っており、打鉄といえばそうだが、装甲が白銀となり、肩にはビーム砲が装着され、両腕には二本の太刀が握られていた。
「みんな、待たせてすまない……!」
三人が呆気にとられている間に、箒は降りてきて三人に合流する。
「箒、その打鉄……」
「あ……、これは……。
 拡張領域を検索したらクイズを出されて……、それを解いたら……こうなった……。
 わ……ワケが分からないと思うが、……正直、私もよく分かっていない……」
修夜の問いに、箒も出来るかぎりの説明をしてみる。
けれども、そんな珍現象を即座に理解できるほど、三人に精神的な余裕はなかった。
「え……っと、つまり……なんだ……?」
「その打鉄は……、先ほどの打鉄と同じ……なんですよね……?」
「あ、あぁ……。正確
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