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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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解らないが……。
たぶんこの打鉄は、かなり“私向き”の改造をしてある……!)
胡散臭さは拭えない。彼女自身、このまま使っていいものかは、当然だが疑問に思っている。
だが現状において、これ以外の打鉄への換装は不可能であり、修夜たちに加勢するには、たとえ胡散臭かろうと“背に腹は代えられない”のだ。
(疑問は後だ、誰が何の作意であのピットにこれを搬入したかは解らないが……。
こうなればこの力、とことんまで使わせてもらう……!)
二刀を強く握りしめ、生まれ変わった白銀の装甲をまとい、少女は鉄火場へと翔けて行った。

――――

一方で、修夜、一夏、セシリアと、所属不明が競り合う鉄火場。
所属不明機は、相変わらず巨体に似つかわしくない俊敏さで、三人の攻撃を華麗に避けていた。
「大人しくしろってぇの……!」
火を噴く【ハウリング=ラプター】の連射を、右に左に躱していく所属不明機。
《マスター、【ラプター】の残弾がヤバいかも……!》
「くそっ、【イーグル・ハンター】じゃ、連射がラプターより気かねぇし……」
エアリオル=ソニックには、威力重視のリニアレールガンと、連射と弾数を重視したアサルトライフルが存在する。
【ハウリング=ラプター】は、そのうちの連射重視のアサルトライフルであり、本機における近距離射撃での主力武器でもあるのだ。
「いい加減、大人しくなさい……!!」
セシリアも、ビットを巧みに不規則な動きで操りながら、所属不明機の隙を作ろうと攻撃する。
だがこれも、まるでバレエでも踊るように、くるくると回りながら所属不明機は避けていく。
「しつこいんだよ、この真っ黒ストーカー野郎っ……!」
執拗に追われる一夏も、ここに来て掌部圧縮砲【六花(りっか)】で積極的に迎撃しはじめる。
非ロック式のため、超反応での回避こそされないはずなのだが、所属不明機は撃つ前の隙を察知しているのか、一向に当たる気配がない。
「駄目だ……、まるで当たる気配がない……」
三人は一旦、距離をとって所属不明機の様子を窺う。
所属不明機も、深追いはせずにその場で止まった。
「セシリア、大丈夫か。だいぶビットを使い続けているぞ、お前……」
「大丈夫です、これしきのことで、倒れるワケには参りませんわ……!」
クラス代表決定戦での経験から、修夜はセシリアの様子を気にかけていた。
BT兵器は、脳波での命令をIS本体から攻撃をおこなう子機に発進する武器であり、その際には空間の状況を把握しつつ、子機の行動パターンを正確に脳内で想像する必要がある。また、脳波をISに読み込ませるために、強い集中力も必要になる。そのために、BT兵器使用者には高い空間認識力と、強靭な精神力が求められる。BT兵器の酷使は、そのまま脳への負担と精神的疲労に繋がるのだ。
先の決定
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