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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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される。


≪*【Infinite Stratos】*≫
≪第二世代型・量産“特機”≫
≪打鉄改S型 -Uchigane Custom Type.S-≫
≪――正式機動承認――≫


すると、打鉄の装甲は静電気の発しながら、見る見る色を変えていった。
メインフレームの鉄色は銀色へ、サブフレームの深い緑は濃い赤に、赤いフレームは金色に。
「打鉄が……変化した……!?」
驚いている間に、画面には≪更月・雨垂、現出開始≫の文字が浮かぶ。
そして両手が、プログラムで強制的に正されたかと思うと、右手には黒い柄の、左手には青い柄の実体刀が出現し、それを握らされる。
「二刀流……なのか……?」
ともに、刃渡り九十センチメートルほどで、本来の実体刀【葵】に比べて小振りである。
だがこのスタイルは、箒が【最も自身の身に叩きこんだ太刀筋】に近いものだった。
(……使える、篠ノ之流古武術の真髄……『二刀の剣舞』が……!)
実戦で使ったことはない。何せ、本来は神のために舞う“奉納神楽(ほうのうかぐら)”の一種であり、戦いの技としては些か“美しすぎる”からだ。だが裏を返せば、その“流れに身を任せる動き”は敵を翻弄する格好の『身のこなし』ともなる。
篠ノ之流古武術の源流も、神前での奉納神楽をルーツとしていると伝承にあるのだ。
「あと、もう一つは……」
残ったのは【螢火】という装備。
先ほどの画面から察するに、肩のユニットが展開されて出現する砲塔がそうなのだろう。
「実際に使ってみるか……」
意識を集中し、画面で見た展開映像をイメージする。
すると、両肩のアーマーの上部が上向きに開き、そこから十センチメートル角の黒く無骨な方針が姿を現した。砲塔は、斜め内側の上に伸びた後に真上に折れ曲がり、開いた装甲を閉じて箒の顔の真横で前を向いた。
箒の顔の両側に、二門のビーム砲が完成する。
「これは……なんだ?」
箒の疑問に対し、画面上には――
≪肩部小型ビーム砲塔【螢火-KEIKA-】≫
≪目標を視認し、意識することで、自動的に攻撃します。≫
――と、あった。
「つまり……飛び道具……なのか……?」
いまいち【螢火】の使い方に理解ができない箒。
元来、非常に感性的な感覚のこの少女には、実際に使ってみないと理解できないという意味で、複雑な仕様の武器を扱うには向いていない。銃が苦手なのも、これが一因にある。
(この説明はつまり……、敵をグッと意識すると、そのままこのビーム砲がドンッと攻撃してくれる……ということでいいのだろうか……?)
ご覧の様相である。
(……だとすれば、これなら私でも使える……!)
根拠こそないものの、感覚的にこのビーム砲が自分向きであることを箒は理解する。
(この打鉄が、どうしてこんな姿になったのかは
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