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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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を庇うようにして彼女の前に立った。
「大丈夫か、箒っ!?」
「う…うん、でも……」
少女の手には、無残に刃を砕かれた実体刀の名残が握られていた。
箒が唯一扱える武器である実体刀【葵】が砕かれた以上、箒には手慣れた武器が存在しない。
悲しげな顔をする幼馴染を見て、一夏は悔しげに残骸を睨んだ。
「なぁ、俺たちの武器と交換とかって、無理なのか……!?」
なんとか箒を励まそうと、一夏は修夜とセシリアに尋ねる。
「む……無茶ですわ……。
 ISの武器は、IS本体に登録されたものでなければ、汎用性の高い後付装備(イコライザ)でもないと……。
 それに箒さんのような量産型ならまだしも、わたくしたちの機体のほとんどは“専用機”、しかも“第三世代型”。一世代分も性能が変わるうえに、私たちの武器では型を合わせようにも、そのIS用に調整されているせいで、余計に……!」
セシリアからの返答に、苦い顔を隠そうとしない一夏。
「……いいんだ、一夏」
「箒……!」
箒の諦めともとれる一言に、一夏はすかさず反応した。
「心配するな、まだ私には焔備(ほむらび)がある。
 銃の扱いは、まだ……全然慣れてないけど……、何もないよりは……いくらかマシだ」
「箒……」
一夏の優しさを無碍にしまいと、箒はショックを押し殺して気丈に笑って見せる。
その痛々しい姿に、一夏もあとの二人も、かける言葉を見つけることは出来なかった。
≪CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!!≫
またも白式の中空電子画面(マルチモニター)に、警告文が発せられる。
「くそぉ……!」
再び各々は散開し、去ったその場に強烈なビームが通過する。
「あの肩の穴、腕のと同じビーム砲だったのか……!!」
エアリオル=ソニックのミサイルを受けた後に放ったビームは、この肩からのものだったのだと、避けた一夏はとっさに理解した。
「箒、慣れてないなら無茶はするなよ。一夏の後ろについて、援護に徹していろ。
 失敗しても、俺らかいくらでもカバーしてやる……!!」
「わたくしと修夜さんで、しっかりお手本を見せてさしあげますわ……!」
「……すまない、修夜、セシリア」
修夜からの叱咤とセシリアから応援を受け、改めて自分の不甲斐なさを悔い、また仲間がいることのありがたさを噛みしめる。
「とにかく、一旦後ろに下がって焔備を用意するんだ。
 あとはタイミングを見計らって、一夏の後ろに付けばいい」
「わかった……!」
修夜の指示に従い、箒は一旦その場を離脱する。
「箒……」
「……本当にアイツの気持ちに応えたいなら、ぼーっとしているヒマはないぞ、一夏」
「……あぁ」
その姿を見つめる一夏に、修夜は素っ気なく声をかけ、一夏も応えるように気合いを入れ直す。
振り向けば、
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