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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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態をつきながら逃げる一夏に、無人機は再度、細いビームの連射を浴びせかける。
対する一夏は、それを避けながらフィールド中央からBとCのカタパルト側を中心に逃げ回る。
「あの馬鹿、鈴に被害がいかないように、ワザとあそこで逃げ回っててやがるなっ……!」
たとえ協力を拒まれようと、大切な幼馴染には変わらない。
一夏の行動は、そんな彼の“お人好しぶり”が見て取れるものだった。
『セシリア、箒、一夏の援護に入るぞ。
 仮にヤツが無人機なら、多少のキツイ攻撃でもぶちかませる、遠慮は無しだっ!!』
マイク機能で声を拡大した修夜は、苛立ちながらもそう宣言し、一夏の援護に入る。
その言葉にはじかれて、箒とセシリアも所属不明機に接近を試みる。
「シルフィ、ラプターだ!!」
《了解っ!!》
修夜の声に応じて、エアリオルのAIであるシルフィは、改良領域(カスタマイズ・スロット)からアサルトライフル【ハウリング=ラプター】を現出(セットアップ)させる。
その黒い銃身を握った修夜は、標的に向かって構え、フルオートで発砲した。
だが、やはり銃弾は背中に目があるかのように軽快に回避され、虚しく空を切っていく。
「これなら、どうですっ!」
止む間もなく、セシリアが大型レーザーライフル【スターライトmkV】で狙い撃ちにかかる。
しかし、これも同様に回避。軌道を修正して、再び一夏を追い回す。
「これ以上はやらせん!!」
セシリアの攻撃を躱しきった直後、所属不明機の背後から割り込むようにして、箒が実体刀【(あおい)】を携えて肉薄。三度目の気合い一閃、絶妙なタイミングに見ている皆が決まったと確信する。
しかし――
「なっ……!?」
その一閃を所属不明機は、ことあろうにその巨大な二つの手で鷲掴みにし、実体刀を捉えてしまった。
あまりの自体に動揺しつつ、箒も自分から武器を取り上げよう力を加える所属不明機に抵抗し、必死に踏ん張り続ける。
だが次の瞬間――

――びきっ……、ぼりんっ、べきしっ

「なっ……?!」
全員が、自分の目を疑った。
「ぅえっ、実体刀をへし折りやがったっ!?」
「なんて握力ですの……、実体刀は超合金素材のはずでは……っ!」
実体刀の刃に力を加えた所属不明機は、超合金素材の【葵】をアメ細工での砕くかのように握壊してしまった。
巨大な腕部が、伊達や酔狂で付いていないことを、まざまざと見せつける。
その破壊の愉悦に酔うこともなく、所属不明機はすぐさま箒に怪腕を振り上げ、反撃に出る。
箒もとっさに身構えた。
「やめろぉっ!!」
真っ先に反応した一夏は、弾丸のように所属不明機に突撃し、所属不明機も斜め後ろに跳び上がって、一夏の突撃を回避する。それと同時に、右腕からビームを放ち、一夏を牽制。一夏はこれを紙一重で躱し、箒
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