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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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行動。
 大ダメージを食らっても、異常な速さで復帰する頑強さ。
 加えてヤツは、箒とセシリアに一泡吹かされるまで、一夏以外に積極的に攻撃をしていない。
 まるで、そう【プログラムされている】みたいに、だ……!」

一同の心身に電流が走った。
「プログラム……――【ロボット】……?」
一夏の口から、そんな単語がこぼれ出た。
「確かに、各国でISの操縦が可能な【無人機】の研究が進められていると、以前より聞いていましたが……」
「私も、ネットやニュースで聞いたことがある……。
 でもそれは、最近になってようやく、歩行が可能になったとかのレベルの話だったはず……」
いつの時代も、危険なことに対して、できるだけ人命へのリスクを減らしたいものである。
ゆえに各国では、過酷なIS実験における負担の軽減のため、試験用の無人機の研究と開発が進められている。だがISに、機械と人を誤認させるだけでも手こずっているのが現実であり、目の前にいる所属不明機のような高性能の無人機の開発など、まだまだ先の話なのだ。
「仮にヤツが機械、つまり【無人機】だとしたら、今までの矛盾は大方解消できる……!」
つまり、プログラムに沿って一夏だけを狙い、機械の体だから並大抵のダメージにもひるまず、任務の続行に支障が出るから箒の排除に動いた。そう考えれば、矛盾だらけの所属不明機の行動に、一応の説明がつくのである。
「そういえばアイツ、鈴が衝撃砲でロックオンしたときには、撃たれるのが判っているみたいに、“撃たれる前”ぐらいからもう避けようとしていた……?!」
「わたくしも、蒼い雫(ブルー・ティアーズ)での攻撃を、まるで見透かしていたかのような動きで回避されましたわ……!」
一夏とセシリアが、ここでさらに所属不明機の不可解な行動を思い出す。
「私も、最初の斬り込みを、見計らったかのように避けられた……!」
箒も、最初のチャンスを逃したときのことを思い出し、二人に共感した。
「ハイパーセンサーでのレーダーをAIに直結させていれば、ロックを感知するだけで、あとは勝手にAIが演算対処して動くだけ……。人間には不可能な、六十分の一秒単位の反応が可能ってワケか……!」
机上の空論だった『無人機説』に、ますますもって現実性が増していく。
「でも、それをどうやって――」
箒が、その証明法に対して問おうとしたそのとき、下からブースターを蒸かす音が響きだした。
「くっそ、また動きだしやがったか……?!」
「一旦、散開しましょう!」
修夜の声を聞き、セシリアがすばやく散開の指示を全員に出すと、四人はアリーナのBカタパルト側とCカタパルト側に散らばった。
それを見た所属不明機は、迷わず一夏の飛んでいったBカタパルト側へと向かっていく。
「くそぉ、やっぱり俺かよっ!?」

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