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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十五話『雲間に蛍、危機に嵐』
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IS学園・第二アリーナ、バトルフィールド内――

窮地に立たされた少女の目の前に立ったのは、幼い頃、いつも自分を救ってくれる幼馴染……一夏と修夜の二人だった。

――来てくれた

いつも颯爽と現れ、困った自分を助けてくれる。
そんな二人にいつか報いたいと、自分を磨いてきたはずなのに……。
自分の不甲斐なさが悔しい。
でも今は、それ以上に嬉しい。
「まったく……、待ちくたびれたぞ……、二人とも……!」
悔しさと嬉しさと安心感に、目頭が熱くなり、それを必死に隠そうと、精一杯強がってみせた。
「遅れてごめんな、立てるか?」
一夏は箒に手を差し伸べ、彼女を引っぱり上げようとする。
「あ……あっ、あぁ、ありが……と……」
箒はその行動に少し動揺しながらも、手を差し出して立たせてもらう。
修夜はそれを見つつ、どこか呆れ気味になっていた。
「二人とも、面倒をかけてしまってすまない……」
正直に二人に詫びる箒。
「別にいいさ。こっちこそ、駄々をこねる馬鹿のせいで、少しばかり予定が狂った」
「修夜……!」
何やらトラブルがあったらしく、一夏と修夜のあいだに漂う雰囲気は、芳しいとは言い難い。
特に修夜は、見て分かる憮然とした態度だった。
そしてもう一つ、箒は居るはずの“もう一人”の存在の欠如に気が付いた。
「そういえば、凰は……?」
「……来るのがめんどくさいから、嫌だとよ」
修夜からの言葉に、箒は思わず押し黙ってしまった。
修夜が不機嫌な理由がそれだと気付き、箒も複雑な気持ちになった。
「……俺は信じる、アイツはきっと来る」
対する一夏は、不安ながらもどこかで何かを信じようと、葛藤しているようだった。
≪CAUTION!! CAUTION!! CAUTION!!≫
≪ロックオンされています。攻撃に注意してください≫
三人の中空電子画面に、一斉に黄色い画面と黒いメッセージが表示された。
「くそっ、野郎まだ生きてやがったのか!?」
「飛ぶぜっ、箒!!」
「あっ……、あぁ!!」
三人が上空へ散開すると、その場所に二本の強烈なビーム光が走った。
さっきよりさらに一回り太い。
光源である煙の奥から、四つの赤い目が不気味に光っていた。
その様相に、攻撃を避けた三人も、修夜に近付いてきたセシリアも、得体の知れないバケモノを見ている心地だった。
「大丈夫ですか、修夜さん……」
「あぁ、アレぐらいなら、ソニックのスピードと反応速度があれば余裕だよ……」
セシリアの心配に対し、修夜は問題ないと抑揚なく返事する。
むしろ修夜をはじめ、四人は煙の中から巨躯をもたげて睨んでくる所属不明機(アンノウン)に、いかに対抗すべきかを必死に探っているところだ。
「今ので、どんだけ削ったと思う……?」
一夏は恐るおそる皆に
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