暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十四話『“信じる”という言葉』
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していた箒が前に出て止めに入る。
これに対し、所属不明機は細いビームの連射で箒を釘付けにせんとした。
「ぐぅぅ……、はぁぁぁぁぁああああっ!!」
ところが箒は、ビームの雨を受け止めながらも、所属不明機に強引に突っ込んだ。
後ろで補給をしているであろう一夏を庇っての、気迫の突進だ。左右にぶれたビームは避けつつ、とにかく後ろの一夏に届こうとする攻撃だけは、意地でも受け止めている。打鉄のシールド再生能力の高さが生む、堅牢な防御があって出来る、強引な攻めである。
絶対防御機能が働いているとはいえ、ビームに撃たれ、箒の体に衝撃と鈍い痛みが走る。しかし、その痛みを食いしばり、気合いで前へと出ていく。
五、六発のビームを食らいながらも、箒は所属不明機に正面から肉薄する。
「だああぁあぁっ!!」
巨大な実体刀『(あおい)』による気合い一閃。
やや昇り気味な横斬りを、抜群のタイミングで振り抜いた。
しかし――

――ぶわっ

「なっ……!?」
そのタイミングさえ計算し尽くしていたかのように、所属不明機は地上から離脱し、再び上空へと向かった。そして、そのまま姿勢を水平に戻し、一夏たちのいる方へと再加速を始める。
(しまった……!)
必死の突撃も無意味に終わったかと思われた、そのとき――

――ビカッ
――どどどどぉぉおん

所属不明機の目の前に、四本の光の線が走り、まるで格子(こうし)のように行く手をさえぎった。続けて、『蒼い雫』の支援子機――ビットによる上空からのビームの雨が、所属不明機に襲いかかる。
(これは、セシリアの――!)
見上げれば、セシリアが上空からビットを遠隔操作し、所属不明機を一夏たちとは対角線の位置に突き離していた。
「……箒さんっ、無茶をし過ぎでしてよっ!!」
上から聞こえるセシリアの僅かな声に、箒は苦い顔をして視線を落とした。
(だが、これぐらいしか、打鉄しか使えない私には……)
箒は、自分が射撃武器を使えないことを悔んだ。
打鉄にも一応、焔備(ほむらび)というアサルトライフルが標準装備されている。
しかし、箒は銃の扱いが苦手だ。というより、そもそも撃ったこと自体、最近になって初めてだ。
まだまだ的に当てるのも一苦労するし、撃ちながら体を動かすことも、まだ経験として体に叩き込める状態ではない。
対してセシリアは、射撃を主体とした遠距離戦闘の玄人。ビームでの砲撃を主軸にする所属不明機とは、高速機動での戦いができるという面でも相性が良い。
(せめて、ヤツを足止めして一撃を。一閃だけでも……!)
覚悟だけでは埋まらない、相性という深い溝。
それでも、この溝を飛び越えるために努力は積まなかったワケではない。
一念発起し、箒は地上をホバーリングする戦法から、空中へと飛び出した。
箒に
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