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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十三話『救出への灯(ともしび)、その光と影』
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≪システム承認、リフトが起動します。≫
≪搬入口周辺から速やかに退避してください。≫

コンソールの画面に、見慣れた警告文が表示され、リフトが打鉄を搬入するためのモーター音が、ピット内に響きはじめる。
そして床の一部が開き、打鉄が一機、ピットに姿を現した。

『PipoPipo, PapoPapo ♪』

あまりの展開の早さに、思わず涙も止まってしまった。
得意気に私に顔を向けてくるウサギスライム。
「お前……。あっ……ちょっと――!?」
だがそれも、私が泣き止んだのを確認してか、すぐさま後ろを向いてドアに向かい、ピット内から走り去っていった。
また座り込んだままで、私はヤツを逃がしてしまった。
ふとアイツのいた場所を見ると、さっき盗られたリボンが、無造作に置かれていた。

――ヴゥン、ガタン

ほどなくして、ピットのハッチに電源が入る音がした。
時計を見れば、間もなく作戦開始時間だ。
「…………」

何であのウサギスライムがあの廊下にいて、私に向かって「見つけた」と言ったのか。
何故リボンを奪って、このBピットルームに潜んでいたのか。
あのときのあの雑音は、本当に私を叱るためのものだったのか。
なんで私を励ましたのか。
どうしてエラーを吐き続けていたコンソールを操作し、打鉄を搬入してくれたのか。
そもそも、あれは何なのか。
疑問は尽きない……。
でも今は、それを気にしている場合じゃない……!
制服を脱いで簡単にたたみ、リフトのコンソールの座席に置いておき、私自身は下に着ているISスーツだけの状態になる。
リボンで髪を束ねて、手櫛で整えながらいつもの髪型に戻す。
そして打鉄のセットされたリフトに乗り、リフト上のコンソールを操作する。
≪IS・打鉄――装着を開始します≫
その合図とともに、私は所定の位置に手足を構える。すると私の体に、次々と金属のパーツが装着されていく。
≪プログラム起動、同化調整(フィッティング)開始――≫
≪システムチェック終了――、同化誤差・想定範囲をクリア――≫
≪全武装、安全を確認――、動力機構オールクリア――≫
そうしているうちに、ピット内に大きなモーター音が鳴り響き、目の前のハッチが徐々に開き、外の光をピットに呼び込んでいく。

私でいいのか――
私なんか行ったところで、ホントに役に立つのか――?
剣以外に取り柄のない、ISについては凡人でしかない私に、みんなといる資格は……

また心に、大きな不安と弱気が襲いかかってくる。
体を縮んで、心が折れそうになる――。

「箒、頼んだぞ……!」
「箒さん、どうかお気をつけて……!」
「大丈夫だよ、箒ならやれるさ」

それでも、Aモニタールームを出る前にかけられた言葉が、私を奮い立たせ
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