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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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それを急上昇でかわし、回転する物体は声の主のもとへと、ブーメランのように戻っていき、その手に収まって止まった。
回転していたのは、鈴の甲龍(こうりゅう)の青龍刀・ツインブレードだった。
「さっきからあたしを無視するなんて、ホントにいい度胸してんじゃない……?!」
さっき一度、撃墜の危機に遭っているはずの鈴は、懲りもせずに真っ黒にケンカを売っている。
呆れるぐらい、俺との戦いに水をかけたことを根に持っていた。
「一夏も一夏でナニよ、この根性なしっ。こんなのさっさと倒してみなさいよっ!!」
……ホント、鈴のヤツはこんな状況で何を考えているんだろう。
でも……だ。
「そうだな……。
 とりあえず、鈴。一時休戦だ、一緒に戦ってくれるか?」
今はコイツの怒鳴り声がありがたい。
「な……ナニいきなり指図して――!?」
「頼む、聞いてくれ。アイツの狙いは、たぶん俺“だけ”だ。よく解らないけど、お前や客席のみんなには自分から手を出していないし、俺にだけ積極的に攻撃を仕掛けてきている。
 なら、千冬姉や他の先生が来るまででいい。俺が囮になって引き付けるから、できるだけアイツを攻撃して、これ以上あのビームを撃たせないようにできないか!?」
修夜にしごかれる前の俺なら、零落白夜を酷使してでも、すぐにコイツを倒そうとしたと思う。
ビビっていないって言ったら、それはウソになる。……けど、こんなにみんなに迷惑をかけるヤツを野放しにできるほど、俺はまだまだお人好しになんてなれない……!!
ビビるな、織斑一夏!
今の俺に出来る、精一杯をやるんだ。
「お願いだ、鈴。俺に力を貸してくれっ!!」
今はケンカのこととか、約束のことで、意地を張り合う場合じゃない。
俺と鈴で、コイツを食い止めて、少しでも観客席のみんなの不安を取り除かないと……!!
「……わ、わかったわよ。そ…その代わり、約束のこと……!」
「あぁ、いくらでも謝ってやるよ。土下座だってしてやる」
「そ……そういう意味じゃなくて……その……!」
何とか鈴は了承してくれた。でも、なんで途中で口ごもったんだ……?
「とと……とにかくっ、言ったからに謝って……ちゃ…ちゃんと思い出してよねっ?!」
おいおい、今は目の前のことに集中させてくれよ……。
「とにかく、あの真っ黒野郎を食い止めるぞ……!」

これが今の俺に、出来ることなんだ――!

――――

「もしもし!? 織班くん、凰さん、聞こえてますか!? もしもしー!?」
山田先生が個人間秘匿通信(プライベート・チャンネル)を使い、必死な声で一夏達たちに呼びかける。
通常ならばこの通信では声に出す必要は無いのだが、状況が状況なだけに、山田先生が混乱してるのは傍目から見ても分かる。
しかも、二人からの返信は一切無い。どこ
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