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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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「出して!!」「何で開かないのよ!?」「早くしてぇ!!」

ハイパーセンサーでスタンド席の出入口付近の音を拾ってみると、そこからは女の子たちの悲痛な叫び声がいくつも聞こえてきた。
スタンド席の出入口の奥にある、もう一枚の非常用シャッターが、生徒の避難を終える前に勝手に閉じてしまったらしい……!
どんどん状況が混乱していく。
鈴との決着を付けるはずが、突然の出来事でワケの解らないことになった。
果たして俺の目の前のことは、本当に現実なのか。
こんな中で、俺は一体どうしたら……!?

「ちょっと、そこのアンタ!!」
その声に、とんでもなくまずい予感がして、声の方に振り返った。
それは、目の前のことで混乱しかけていた俺をよそに、真っ黒野郎に接近する鈴の姿だった。
「おい、待てよ。危ないぞ、鈴っ!!」
必死に呼び掛けるも、鈴の耳にはまるで入ってないらしく、どんどん真っ黒の方に近付いていく。
「人がせっかく一夏と大事な戦いをしてるっていうのに、急に割り込んで何様のつもりよ!?」
そしてあろうことか、両手に持った青龍刀を構え、()る気満々でいらっしゃる。
「絶対に許さないんだから、覚悟しなさいよっ!!」
うっわー……、ケンカ売ったよ。
アリーナの遮断シールドをぶち破ってきたヤツに、正面からケンカ売ったよ、この馬鹿……。
その無謀な宣戦布告に対し、真っ黒はおもむろに鈴の方に向き合った。
そしてボウリング球みたいな頭の四つの目が、チカチカ光ったと思ったそのとき、真っ黒野郎は図太い右腕を鈴に向かって突き出してきた。
「ナニ、やる気?」
いや、やる気なのはお前だろ……って、あの構えは――?!

「鈴、危ない、早く離れろっ!!」
俺が叫んだその一瞬、悪い予感が告げたとおり、真っ黒野郎は鈴に向かって思いっきり光線をぶっ放しやがった!!
「え――」
(くそぉ、間に合えええぇぇえっ!!)
何も考えず、急いで鈴へ向けて瞬時加速《イグニッション・ブースト》を仕掛け、俺は鈴に目がけて突進した。
間一髪だった。
何とか鈴を腰から抱えて担ぎ上げ、俺はその場から離脱に成功する。あと一歩遅ければ、鈴はあの馬鹿でかいビームの餌食になっているところだった。
ビームはアリーナ上空の遮断シールドぶつかって、盛大な爆音を轟かせる。
「あぁ〜……、危なかっ――いてててっ?!」
「離せっ、は…離しなさいよっ、ここ…このスケベ、変態っ、インランッ!!」
なのに、せっかく助けた鈴の頭をISの腕のまま、顔を真っ赤にしてドカドカと叩いてきた。
実際にはバリアシールドのお陰で、言うほど痛くは無いけど、この仕打ちは酷い……。
「わかった、わかったから……!」
抱えていた腰をそっと離してやると、鈴はそのまま俺を突き飛ばすようにして、慌てて離
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