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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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コウ コレヨリ 【オツカイ】 ヲ スイコウ スル≫

飛行物体は、地上から発せられた信号を確かにキャッチし、降下を開始した。

――――

第二アリーナ・バトルフィールド――

試合開始から、もうすぐ三十分ぐらいが経とうとしていた。
あれから試合は撃ち合いと鍔迫り合いの押収で、俺と鈴はお互いのシールドエネルギーをじわじわと削り合い、今は少しばかり睨み合っている。
俺のシールドエネルギーは430ポイント、鈴のシールドエネルギーは460ポイントで、まだ鈴の方が僅差で勝っている。
(そろそろ、デカイのを一発入れておかないと……!)
俺も鈴も、ほとんどの手の内はさらした状態だ。
僅かに勝っているとはいえ、鈴の方もまだまだやる気満々みたいで、どうしても俺を地面に叩き付けないと気が済まないらしい。まったく攻撃の手を緩めてこない。
付かず離れずで戦い続けて、もうお互いに少しずつ息切れが見えはじめている。

――「『零落白夜(れいらくびゃくや)』は、最後の最後までとっておけよ」

修夜の言葉が頭をよぎる。
状況を覆すには、やっぱり零落白夜での一撃が一番効果的だと思う。
でも修夜とのクラス代表決定戦や、これまでの練習と模擬戦で、あれが文字通りの“切り札”っていうことは、試合を重ねるごとに否応なく理解できた。
あれが当たったときの一撃はデカイ。上手く当てれば、シールドを500近くも削って見せてくれる。まさに“一撃必殺”の最強の攻撃だ。
でもそのリスクも、威力に比例して半端がない。零落白夜はシールドエネルギーを消費して、無敵の力を発揮する。攻撃をミスしようものなら、シールドを弱らせて俺の方がヤバくなる。
(焦るな、俺。まだ使っていない手がいくつかある……!)
六花(りっか)には、鈴にまだ使っていない攻撃が“三つ”ある。
そのうちの二つなら、零落白夜には及ばないけど、鈴に致命打を与えることができる……!!
問題は、鈴にそれを使わせる隙を、俺が作らなきゃならないってことだ。
さてどうするよ、織斑一夏……!
「ねぇ、そろそろこんなの、終わりにしない?」
鈴が俺に向かって、急に声をかけてきた。
「一夏だって、いい加減こんな削り合いじゃ、満足できないでしょ?」
言っている言葉はどことなく適当だけど、言い方の荒っぽさや俺を睨む視線は本気の感じだ。
どうやら鈴の方も、俺と同じでこの辺りで勝負を付けたいらしい。
それになんていうか、“昔からの”負けず嫌いな鈴が、そこにいる気がするだよな……。
「あぁ、時間もあと10分ぐらいだし、このまま削り合いなんて、スカッとしないよな」
向こうはやる気だ、なら俺にもチャンスはある。
自然と左手が疼いてくるけど……落ち着け俺、まだ浮かれていい時間じゃない……。

――「お前さぁ、調子
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