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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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心感を与える事が何よりも優先の筈です。違いますか?」
拓海の台詞に、山田先生は目を伏せて黙り込む。
山田先生は山田先生なりに、俺や一夏といった生徒の身を、誰よりも案じている。それゆえに、今自分が何も出来ないのが悔しいに違いない。
「織班先生、山田先生……わたくしからも、お願いします」
先程まで、黙って事態を見つめていたセシリアもまた、拓海に賛同するかのように喋り始める。
「拓海さんの言う通り、現段階においての方法は、それしかありませんわ。
 何より、相手の実力が未知数である以上、お二人が負けてしまえば後がありません。
 わたくしたちが先に出れば、一夏さんたちの援護が出来るだけでなく、お二人があのISを相手にする時に、より有利に持っていけます」
「ですけど……!」
セシリアの言葉に、山田先生は反論しようとする。しかし……。
「大丈夫です、山田先生。私もセシリアも、今日まで修夜たちと共に、他の生徒の何倍も訓練を積んできた身です。勝つ心算(つもり)も、引き際を考える知恵もあります。
 必ず一夏たちと共に、無事に帰ってきます」
セシリアを援護するように、箒もまた、真っ直ぐに見つめながら千冬さんに訴えかける。
俺と拓海も、黙って二人の教師を見据える。この場にいる生徒三人と、一人の技術者の意思は同じなのだから。
「……はぁ…」
僅かな沈黙の後に、千冬さんは小さく溜息を吐く。
「決意は、固いんだな?」
「ああ、それが最善手であるのなら、どんなに厳しくても全力で向かってやるさ。
 それに俺は、こう言う分の悪い賭けは嫌いじゃないんでな」
千冬さんの言葉に、俺がそう答える。
「そうか……。仕方あるまい、その作戦をもって、確実に勝ってこい」
「お、織班先生!?」
千冬さんのその答えに、山田先生が反応する。
「真耶、これ以上こいつらを止めたところで、勝手に実行するのが関の山だ。
 ならば指導者として、少しでも有利になるよう取り計らって、成功に導くしかあるまい」
そう山田先生に言った後、千冬さんは俺たちを強い視線で見渡し、再び口を開く。
「だが、そう言った以上、負けは許さん。必ず勝利し、織班と凰の二人と共に、無事に帰還しろ。
 これは授業や演習などではない、最悪のときには速やかに脱出しろ。
 その時には、私と真耶で全力でフォローしてやる……!!」
『はい(おう)!』
彼女の力強い言葉に、俺達も強く返事をする。
「ドアロック解除完了……直ぐに向かって準備を頼むよ!」
それと同時に、拓海がロック解除を完了させる。俺達は同時に頷き、部屋の外に向かって走り出す。
「真行寺くん、みんな……!」
すると、山田先生が俺達に声をかける。
「みんな、絶対に帰ってきてくださいね! 怪我したりしちゃ、駄目ですからね!?」
振り向いた
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