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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十二話『震撼、第二アリーナ』
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「ならば、それを使って教員部隊を突入させれば良いだけの筈だ」
拓海の説明に、千冬さんは正論を返す。確かに、無理矢理解除できるのなら、その方が手っ取り早いのだろう。
だが、それが出来るのなら、拓海は直ぐに実行している。
「無理ですよ。この方法は、大人数が突入できるほどの時間は稼げません。
 第一、部隊全員が突入するまでの間に相手が気付いてフィールドのシールドに対策されれば、余計に事態が悪化します」
拓海はそう言って、再びコンソロールを叩く。
「現状で出来る最善手は、ドアロック解除後に、修夜とセシリアがピットルームに向かってその場で待機。
 同時に、箒は打鉄が置いてある格納庫に向かい、装着後に一番近いピットルームか観客席へと向かう。
 それらが確認できた時に、僕の方でシールドを一時的に解除して、修夜たちを突入させる……これが、今この場における最も適した手段です」
通信手段が無い以上、三年生の精鋭や教員部隊に連絡を取る事も出来ず、突然の出来事に戸惑ってしまえば、彼女たちの突入すら出来ない可能性がある。
ならば、今この場で作戦を聞いている箒とセシリア、そして俺の三人が、タイミングを合わせて突入する方が最も効率的だ。
「でも、それだったら織班先生や私が突入してもいいはずです! なんで真行寺くんたちが……!?」
山田先生が当然のように反論してくる。生徒の身を案じるがゆえの行動なんだろうな。
「今この場における最大戦力を有しているのは、織班先生と山田先生だから……ですよ」
彼女の言葉に、拓海は真剣な表情で答える。
「先ほども言いましたが、この方法が出来るのは二回が限界です。
 そして、相手は鉄壁と謳われている防御対策が施されたこのIS学園にハッキングを仕掛け、所属不明のISを突入させるほどの実力者です。
 最悪の場合を想定し、お二人にはこの場で待機していて欲しいんです」
そう、拓海の方法は強いて言うなれば『奇襲』に近いのだ。
仮に全戦力を投入して成功すればそれで良いが、失敗してしまえば後が無い。『奇襲』と言うのは、失敗した後の事も想定しなければ、ただの愚策に成り果てるのだ。
ましてや、世界最強と言われる千冬さんが出撃し、万一にも負けてしまえば、それだけで観客席側の不安は一気に爆発してしまう。
奇襲を成功させるする事、解除までの時間を稼ぐ事、取り残された生徒たちを安心させる事、そして何より最強の戦力をギリギリまで保持する事。
二重三重の意味で、この作戦は失敗が許されないのだ。
「山田先生、生徒を心配するあなたの気持ちは分からなくもないです。
 ですが、これ以上ここで議論を重ねていては、会場に取り残された観客席の不安は、更に増すばかりです。今は、出来うる限りの最善手を打ち、状況を打破する事。
 そして彼女たちに、少しでも安
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