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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十一話『クラス対抗戦、開始!』
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ね?」
なかなか六花の操作に慣れず、四苦八苦する一夏が弱音を吐いた。
「何を馬鹿なこと言っているんだ。拓海と修夜の苦労をいたわる気なら、少しは慣れろ!」
中々うまく六花を活用出来ずに苛立つ一夏に、箒が喝を飛ばす。
「何事も、最初は慣れですわ。わたくしも蒼い雫(ブルー・ティアーズ)のビットを操作するのは、最初はかなり戸惑いましたし」
セシリアも四苦八苦する一夏を宥める。
そして本来なら、俺はすかさず一夏に喝を入れて、修練を再開させただろう。

でも、この一夏の一言は、俺にとって青天の霹靂だった。

「どうしたんだ、二人とも?」
そしてこの衝撃は、拓海も同じだったらしい。
俺と同じように、目を丸くして凍りついていた。
そんな俺たち二人を、箒が不安げに見ていた。
「……拓海」
おもむろに俺は拓海を呼んだ。
「……もしかして、僕と答えは同じかい修夜?」
拓海も拓海で、俺の呼びかけだけで、おおよその意図を掴んでいるようだった。

そして――

「「あっはっはっはっはっはっはっはっ!!!」」

二人でどちらからともなく、大声で笑ちまった。
全員が呆然とする中で、ひとしきり笑って俺も拓海を落ち着く。
「一夏」
俺は一夏に呼び掛けた。
「お前、天才かもしれないな……!!」
「…………ぇ?」
普段は口にしようと思わないことを、思わず口走っていた。
「……で、出来そうか?」
拓海に尋ねる。
「色々と問題をクリアする必要はあるけど、やるだけやってみるさ。
 ……というか、これは【是が非でも】試してみたいね……!!」
いつもの爽やかスマイルも、この時ばかりは“悪ガキモード”のギラついた顔になっていた。
「ったく、悪い顔だな、オイ」
「そいつは、お互い様だろ?」
どうやら、俺も相当悪い顔をしていたらしい。
こうして他の三人が呆然とする中、俺と拓海は白式にさらなる格闘要素を加えることを決めた。

――――

例の一件を思い出している最中、不意に千冬さんの声が聞こえ、意識をこちらに戻す。
「そういえば、あの左手は何だ。白式にあんな装備は無かったはずだ」
千冬さんの拓海へのガンの飛ばし方が、半端ないことになっていた。
あのまま、目からビームでも出そうな勢いだ……。
「アレは僕が一夏用に、蒼羽技研のスタッフと開発して、白式に受理させたものです。
 白式には射撃武装がまったくない。それだと、中距離弾幕で押してくる相手には無抵抗に終わる危険性もある。だから少しでも、一夏が使いやすいかたちにと、そう考えた結果です」
千冬さんのメンチビームに臆することなく、拓海は淀みなく、いつもの調子で説明を続ける。
「さっき鈴の衝撃砲の一撃が撃たれたとき、一夏もそのタイミングに合わせて六花を撃ち込んで、ほぼ無傷で相
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