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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十一話『クラス対抗戦、開始!』
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、今の一撃を直撃させて、俺がボロボロになったと思い込んだんだろうし。
「くっ……、出て来なさいよ、馬鹿一夏っ!!」
段々と土煙が風に消され、視界が良くなっていく。

――今だ

「でぇぇりゃああぁぁっ!!」
「っ?!」
俺は土煙から、鈴の名斜め右上にの位置まで飛び出す。
そしてタイミングを合わせてチャージした瞬時加速(イグニッション・ブースト)で思いっきり加速し、鈴の横側を目がけて【跳び蹴り】をぶちかました。
脚に、確かな“当たり”の感覚が伝わると同時に、鈴は蹴りの反動で観客席前の壁に向かって吹っ飛んで行き、そのまま壁に衝突した。
俺も斜め上から蹴ったため、余った勢いで地面スレスレまで行き、そこでブレーキをかける。
歓声に湧いていたアリーナが、俺の蹴り一発で静まり返ってしまった。
あの、あんまり静かなのは、落ち着かないんだけどなぁ……。
そう思っているうちに、鈴が壁の方から起き上がって、俺のことを睨んできた。
「なんなのよ、今の……!?」
不意打ちで蹴飛ばされたことが、大層気にいらないらしい。
「何って、加速を利用した“跳び蹴り”だけど?」
聞かれたことを、素直に返す。
「ナニよそれ……、蹴りなんて反則じゃないのっ!!」
「一応は拓海とルール確認したけど、別に“蹴りは反則”なんてのはなかったぞ?」
「うるさい、一夏のクセにっ!!」
よっぽどさっきのキックが気に入らないみたいだ、ものすごい言いがかりをつけてくる。
アリーナのメインモニターには、試合進行が分かりやすいように、俺と鈴のシールドエネルギーの残量が表示されている。
今の蹴りで、100ちょっとのシールドを削るのに成功していた。
俺もそのために、瞬時加速で20ほどシールドエネルギーを消費している。
(よっし、威力は上々だな)
現在の鈴との差は70ぐらいで、鈴の方が有利。でも油断しなければ、まだまだ巻き返せる。
「どうだ鈴。俺はそっとやちょっとじゃ、へこたれたりしないぜ?」
俺の一言に、歯噛みしながら俺を睨みつける鈴。
「うっさいわよ……、ぜっったい、土下座して…謝らせるんだからっ……!」
全っ然、鈴の怒りは治まる気配がない。それどころか、ヒートする一方だ……。
謝れれば謝りたいのは、こっちなのに……。
「だったら、お前の気の済むまで付き合ってやる。
 俺だってお前に、言いたいことや訊きたいことは色々あるしな。
 さぁ、まだまだ試合は始まったばっかだぜ、これからが盛り上がるところだろ?」
俺は雪片と六花を構え、鈴からの攻撃に備える。
俺の動きを見て、鈴も両手のデカイ青龍刀二つを構えなおす。

さぁ、トコトンやろうぜ、鈴――!!

――――

モニタールームは、一夏の蹴りがもたらした静寂に支配されていた。
「ぶっつけ本番
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