暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十一話『クラス対抗戦、開始!』
[4/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、あいつが言うには、IS操縦者に直接ダメージを与える『ためだけ』の装備も存在すると言う。
もちろん、それは競技規定違反に当たるものだし、人命にも危険が及ぶ。
しかし、それは同時に『殺さない程度にいたぶる事は可能である』と言う現実があると言う事だ。
だけどな――
「それがどうしたんだよ、鈴」
「……えっ?」
俺の一言に、鈴がうろたえた。
『試合形式は1000ポイントマッチ、制限時間は40分の一本勝負です』
場内に響くアナウンスを耳にしながら、俺は真っすぐに鈴の顔を見据える。
「そんな事は、既に修夜たちから散々言われてきたことだし、俺だっていい加減覚えてきてるさ」
それに、代表候補生である鈴がそれくらい可能だって言うのは予測くらいできている。
「けどな、そんな事で臆していたんじゃ……」
『それでは両者、試合を開始してください』
「あいつや千冬姉に追いつく事なんか、出来ないんだよ! 鈴!!」

鳴り響くブザーが切れる瞬間に、俺はそう叫び、鈴へと斬りかかって行った。

見せてやる、俺の特訓の成果を――!!


――――

「初撃は一夏の先制、か」
モニタールームからのリアルタイムモニターを見ながら、俺は呟く。
試合開始と同時に動いた一夏は、瞬時に雪片弐型を展開して鈴へと斬り掛かっている。
それを鈴は、甲龍の近接武器である《双天牙月(そうてんがげつ)》で弾き返していた。
「惜しいな。あの一撃が上手く入っていれば、奇襲となって少しは有利に持っていけたんだが……」
「彼女は、曲がりなりにも代表候補生だからね。あの程度で動じるような、柔な鍛え方はしてないよ、きっと」
俺の言葉に、拓海がそう返す。事実、最初の一撃以降の鈴は、二振りの双天牙月をバトンのように扱いながら、一夏を押し始めている。
対する一夏はといえば、縦横無尽とも言えるその斬撃を上手くかわし、捌いている。
「どうやら、修夜との修練を上手く活かせてるみたいだな」
そう言いながら箒は、一夏と鈴の試合を真剣に見つめていた。
「そうですわね。
 ですが、凰さんはわたくしと同じ代表候補生。専用機を与えられている以上は……」
「ティアーズと同じ、第三世代機の可能性がある……って所だろ?」
俺の言葉に、セシリアは頷く。
「見た目だけで判断するならば、あの甲龍は一夏さんと同じ、近接格闘型のパワータイプだと思いますわ。
 ですが、それはあくまで現段階の判断ですし、中国政府が第三世代機の開発をしている事は、本国でも噂として聞いています。
 それならば……」
セシリアが自分の推察を述懐している、そのさなか――
「一夏……!?」
セシリアの言葉を遮るように、箒が急に叫びを上げる。
「どうした、箒!?」
「戦況が変わったんだよ、修夜」
俺の疑問に、拓海
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ