暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十話『夜風の非常階段にて』
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ちは分かる…。
「少し頭をひねれば分かる話を、なんでそこまで拡大解釈できたんだ……」
「い、いや、そういう意味じゃなかったのか……?」
「ノーコメントだ、自分で考えろ……」
若干戸惑いながら言う一夏に対して、俺はそう答える。
鈴が極限までブチ切れしていた原因――それは小学生の頃に、あいつが一夏に取り付けたある【約束】だった。
こいつが言うには、どうやら鈴は『自分の料理の腕が上がったら、毎日酢豚をご馳走する』とか何とか約束していたらしい。
しかし、それは若干の語弊がある。
正しくは【自分の料理の腕が上がったら、毎日“自分の”酢豚を食べて欲しい】だ。
いわゆる、『俺のために毎日味噌汁を作ってくれ』――と言う、日本独特の“プロポーズ”をアレンジしたものなんだろうが……。
よりにもよってそのプロポーズを、この朴念仁は間違った方に解釈していた。……そりゃ確かに、鈴も怒鳴るわけだわ。
まぁ、朴念仁かつ当時小学生だったこいつが、誤解していたとはいえ、そんな約束を覚えている事自体が、ある意味で奇跡的にといえばそうなんだが……。
そもそも鈴も鈴で、みんなで騒ぐのが一番という“お祭り脳の唐変木”に、なんでそんな変化球を投げたんだか。
アイツもイベントごとに女子に誘われる一夏と、その一夏が盛大な勘違いをやらかしている現場は見ているはずなのだろうに……。
「しかしまぁ、部屋の強制移動まで迫るとはなぁ、あの馬鹿は……」
二人が言うには、食事から帰ってきてひと段落ついていたところにセシリアが登場し、さらのそこへ突然に鈴が訪問。
俺がいることを想定して、ISを使って俺を部屋から追い出そうという魂胆のはずが、いたのは“自分のコンプレックス”を刺激する箒で、しかも変な言いがかりをつけて、生身の箒をISの格闘用武器で攻撃しようとする暴挙に出ていた。
それをセシリアが上手く収めてくれたは良いものの、今度は一夏と鈴のあいだでケンカがはじまり、約束のくだりで一夏がいつもにも増してひどい勘違い爆弾を炸裂させた上に、逆ギレして鈴の逆鱗に触れて、さっきのすったもんだに行き着いたというワケらしい。
「……どっちにしても、明日謝っておけよ、一夏。こればっかりは、鈴に非が無いとは言わないが、お前も悪い」
「そうなのかな、やっぱ……」
俺の言葉に、自信なさげに答える一夏。
怒らせた原因を分かってはいないみたいだが、それでも自分にも非がある事は薄々分かっているらしい。
まぁ、そこがこいつの良いところなんだけどな。
対する鈴は、その謝罪で自分の非に気付くかどうかなんだが……。
(ありえねぇな、絶対……)
今までのあいつの行動と性格を鑑みても、現状でその可能性は限りなく低いだろうなと思う俺がいたのだった……。
ただし、部屋を飛び出ていったあの態度と、それを一夏に聞かれ
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