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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第二十話『夜風の非常階段にて』
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けば可愛げのある小憎たらしい顔が、怒りともう一つ別の感情で歪んで、ひどい有様だった。
「なんでアンタがここに……!」
話す声と言葉にも、同じことが言えた。
「悪いな、そこの大馬鹿の隣人なんだよ」
変わらず俺を悪鬼の形相で睨む鈴。
1026号室に、沈黙と緊張感が漂い、徐々に室内の空気を張り詰めさせていく。
「そこの馬鹿が、何をやらかしたかは分からないけど、まずはISの部分展開(そいつ)を収めろ。
 下手こいて千冬さんに雷落とされれば、お前もタダじゃ済まないぞ?」
言われて鈴も、現状から千冬さんの雷と自分の“()”を天秤にかけ、渋々とISの展開を解除した。
それを見た俺も、実体振動剣を引っ込めてISを収める。
部屋に張られた緊張の糸は緩み、俺と鈴のやり取りを見ていた三人は、安堵のため息をついて体の力を抜いた。
「さて、こんな馬鹿騒ぎになったのは、一体どうしてだ……?」
大体の原因は見当がつくが、まずアレを聞きださないとな。
「アンタに関係なんて――」
「大アリだ。今そこの一夏(バカ)に手を出されると、間違いなく千冬さんに殺されるからな」
そればかりか、クラス中の女子を敵に回すことになる。
勝てる自信は無いわけではないが、そんな最悪に面倒な事態だけは、死んでもゴメンだ。
「……まぁ、大方“また”力尽くで強引に、ここにいる連中に無理難題を吹っかけたんだろう。……違うか?」
鈴は押し黙ったまま、俺を睨み続ける。
「反論がないってことは、要するにそれで正解――」
「ちょ……ちょっと待て、修夜。“また”……というのは……?」
箒がここで、話の要点に気が付いた。
そして箒の発言から、鈴の方も自分で俺に付け入る隙を与えたことに気が付いた。
「ま……待ちなさいよ、さっきの言い方じゃ、まるであたしが前にも問題を起こしたみたいじゃ――」
鈴も急いで弁明に入ってきた。
しかしこれでは、余計に“自分が何かやりました”と暴露しているようなものだ。
「そもそも鈴、俺とお前が最初に再会したとき、アレは『クラス代表の座を期限外でもぎ取ってきた』あと、だよな?」
俺の問いを聞いて、鈴の表情が険しさを増す。
「……何のことかしら?」
鈴はあくまでとぼけて、しらを切るつもりらしい。
一方で、一夏たちの方は驚き、鈴に注視していた。
「期限外って……」
一夏が俺に短く訊いてきた。
「な……なんにもない、なんにもないわっ!!」
鈴も一夏の声に、ここで事態が露見する“本当の危険性”に今更ながらに気付いたのか、事実を隠すために話題を切り上げようとする。
甘いぜ鈴、そいつは俺には、追い打ちのチャンスなんだぜ。
「俺と鈴があった日、つまりお前の就任パーティーの日は、クラス代表の決定期限から一週間近く過ぎていたんだ」
「そ……そう言
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