暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十九話『遠い日の約束』
[8/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いこと言うじゃない……!?」
しまった、凰のほうが食いついてきた……?!
「わたくしもあなたも、元を言えば実力ですべてを勝ち取ってきた人間です。
 そしてこの寮の管理者は、その実力主義者の典型のような織斑先生。
 この寮で、この学園において、いさかいを収拾する最終手段は“ISでの試合”と相場が決まっていますもの。
 ならば“郷にいれば郷に従え”、“決着の見えない揉め事はISで決着せよ”というのが、一番シンプルだと思いますわよ?」
穏やかな笑顔で、悪魔の提案をするセシリア。お前は一体、どっちの味方をしたんだ……!
「た……、たしかに……」
一夏まで説得されかけるなっ?!
「セシリア、言っていることが無茶苦茶だぞ、どういうつもり――」
セシリアに詰め寄って抗議しようとしたときだった。
彼女は口元に親指を当てて、私に抑えるよう仕草を起こしたのだ。その視線からは、何かの“意図”が感じられた。
《Sorry, Houki... . But, I have a "good idea".》
彼女は小さく、英語でそう呟いた。
アイデア……我に秘策ありと……?
セシリアは一体、何のためにここまでしているんだ……。
「いいわよ、その提案、のってあげるわ!」
少し押し黙って考えていた凰が、セシリアの提案を承諾した。
「では、もし凰さんが一夏さんに負けた場合には、今日あったすべての非礼について、真剣にお詫びして頂きますけど、よろしいですね?」
セシリアが、手札(カード)を切った。
「いいわよ、やった覚えなんてないし、私が勝つから無駄だと思うけど」
凰もセシリアの切った手札に、あっさりと手を出してきた。
「では来月のクラス対抗戦、【敗者は勝者の提示した条件を実行する】ということで――」
どうやらセシリアが目論んだことは、上手く相手も乗ってきたようだ。
すばやくセシリアも話を締めくくりにかかる。
「待ちなさい、それだけじゃ面白くないわ」
ところが、セシリアが場を収めようとしたそのとき、凰が気の強い笑みをこちらに向けながら口をはさんだ。
「……なにか、おありですか?」
少し語気を強めてセシリアが、口出しの意義を問う。
「そうね……『負けた方は勝った方の言うことを何でも聞く』、っていうのも追加しない?」
何か意味ありげに、自信を持って凰は自分の提案を示してきた。
「……それだと、先ほどの条件と同質なのでは?」
セシリアは、凰の提案の矛盾点をさらりと突いてきた。
自信満々に発した割には、セシリアの言う通りに、先ほどの条件と大差のない“内容に中身がない”条件だった。
単純に、互いに相手に要求できる事項が増えただけだ。
それを指摘された凰は、強気な顔を歪ませて明らかに不機嫌になる。
「いいのよっ、一個目は単純に一夏の同居人
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ