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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十九話『遠い日の約束』
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「まぁまぁ、上がっちゃえ上がっちゃえ!」
駄目だ……、こうなると一夏はあの手この手で、セシリアをこの部屋に引き留めようとするに違いない……。
ホントにどうして一夏は、人と集まって騒ぐのが好きなんだろう。
悪い性格ではないのに、何でこんな一夏を見て、もやもやしているんだろう、私……。

「そこ、邪魔なんだけど」

突然、廊下の方から聞き覚えのある声がした。
「あ…、あなたは……たしか……?」
そこにいたのは、髪を二つに分けた小柄な少女。
布を切って肩を露出させている特徴的な改造制服、髪を束ねる黄色いリボン、肩に担いだボストンバッグ。
「り…、鈴。何でここにいるんだ……!?」
私が小学五年生になる前に引っ越したのと入れ違いで、一夏と修夜の新たな幼馴染となった少女、凰鈴音(ファン・リンイン)だ。
「へぇ〜、ここが一夏の部屋なんだ〜……」
私たちの前に現れた凰だったが、まるで私とセシリアなど眼中にないかのように、ずかずかと私の横を素通りして部屋の真ん中まで侵入していった。その行動に、一夏も少し困惑した様子で凰の動向をうかがっている。
「……っていうか、何でアンタ達までここにいるのよ?」
次は怪訝そうに振り返り、私とセシリアのことを睨んでくる。
なんというか、なんて今更な質問なんだ、自由すぎる気がする……。
「わ…、わたくしは、一夏さんと箒さんのお二人に御用がありましたので……」
あまりの堂々たる態度に、思わずセシリアも一歩引いてしまっているようだ。
唐突に現れて、こんな態度で部屋に上がり込まれれば、驚くなという方が少し無理がある。
だが、こういうときこそ、部屋の住人として、毅然とした態度を見せなければ……。
「わ……、私はこの部屋で、一夏の『同居人』をやらせてもらっている……!」

それを聞いた途端、凰は明らかに目を見開いて、私のことを鋭く睨みつけてきた。

「同居……人…?」
「あ…、あぁ、そうだ……!」
私の二度目の返答を聞いて、凰の気配が明らかに変わった。

――殺気だ

凰は明確に、私に向けて強い殺気を向けている。
さっきの態度といい、この殺気といい、凰はいったい何をしに来たんだ……?
「ちょっと一夏、どういうことか説明しなさいよっ!!」
殺気走っていたかと思えは、凰は今度は一夏に詰め寄って怒鳴りはじめた。
「ど……、どうって……、箒とは入学したときからずっと同室だったし……」
「なん……ですって……?!」
一夏の及び腰な態度での返答を聞いて、凰はますます怒りを露わにしはじめる。
「なんでそんなことなってるのよぉっ?!」
「し……、知らないよ?!
 第一、本当なら俺と修夜は、最初の一週間は自宅通学だったのを、政府のお偉いさんが無理に寮に突っ込んだって話だし……」
一夏の言う
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