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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十八話『一夏の可能性』
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之と四詠桜花の技術……この二つを使えれば、臨機応変に戦う事が出来るようになる!
 しかもそれが、あの千冬さんでも思いつかない戦術に昇華出来れば、それは『織斑一夏だけの戦術』になるんだぜ!?」
『……っ!?』
ここに来て、一夏達も気付いた。一夏には才があるし、篠ノ之流の技もあるが、それは千冬さんも同じだ。
だが、そこに四詠桜花の技術を覚えさせ、それを一夏なりに昇華させれば、それは『一夏だけのものになる』。
その意味は、場合によっては、あの千冬さんに届く可能性だって出てくるのだ。
「そっか……。そういう意味か……!」
一夏は、自分の手を見て笑みを浮かべていく。『世界最強』に届く可能性に、こいつもテンションが上がってきたようだ。
「篠ノ之の戦い方でも、千冬さんの戦い方でもない、『一夏だけの戦い方』……か。確かに、それは見てみたい気もするな……!」
箒は一夏だけの戦い方に興味を覚えたのか、笑みを作っている。
「それは確かに、面白そうですわね。しかも、その訓練はわたくし達の経験にもなる事を考えれば、試してみる価値はありますわ」
セシリアもまた、微笑みながら言葉を紡いだ。
三人の言葉に、俺と拓海も自然と笑みを浮かべてた。
「どうやら、反論とかは無いみたいだね」
「当たり前だ。こんな面白い事、やる前から諦めてどうするって話だよ」
拓海の言葉に、俺はそう言い返す。
「はは、確かに」
拓海もそれに応じて笑い返す。
「なら、“善は急げ”だ。一夏、急いで準備して来るから少し待ってろよ」
「あぁ、よろしく頼むぜ!」
俺はアリーナのロッカールームに急ぎながら、一夏の声を背中越しに聞いた。

――――

準備を終えてアリーナに戻った俺は、早速エアリオルを展開して一夏と対面した。
箒とセシリアはというと、俺と一夏のいる位置から反対側の方で、箒主導のもとに格闘戦の練習をしている。拓海によると、「じっと待っているだけももったいないから」、ということで自主練習を始めたらしい。
「さて本来なら、こんなことをすると師匠の雷かセクハラが来そうなものだが……、今はそっちよりも目の前の“可能性”だ」
一夏に向かって、俺は声をかける。
本来、四詠桜花の技は陰派の技、すなわち他人に気安く教えることを嫌う“隠された力”だ。
理由は単純。極めれば人外の域に達する、驚異の妙技を数々持ち合わせているからだ。
ゆえに万一にでも悪用されれば、世の中に波乱を呼ぶことさえあり得る。
……と、いうのは今や昔。
ISを筆頭に、科学の力で得た便利さに眼の眩んだ現代人に、四詠桜花の技の習得は無茶な話というのが、実のところだ。
これも理由は単純。修行が【えげつない】のだ。
ひとえに武術といえど、四詠桜花のそれは『サバイバル戦闘術』に限りなく近い部分がある。
さっき
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