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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十八話『一夏の可能性』
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かできるものじゃない。
一度は篠ノ之流古武術(しのののりゅうこぶじゅつ)の裏奥義である【零拍子】を習得しているはずなんだけどなぁ、こいつ……。
「まぁまぁ、そんなに落ち込む事はないよ、一夏。
 どっちにしても、千冬さんのような戦い方をするって事自体、今の君には無謀なんだからさ」
「フォローになってねぇよ、拓海!?」
拓海の言葉に、即効で突っ込む一夏。いやまぁ、確かにフォローにはなってないわな……。
「ごめんごめん。とりあえず話を戻すけど、白式は近接戦闘においては、多分『暮桜』と同じだと思うよ。
 と言うか、接近戦の攻撃力だけなら、既存のISの中でトップクラスだろうね」
拓海が白式のデータを提示しながら、説明を再開する。
「ただし、その代償として、本来は拡張領域用に空いてる筈の処理を全て使っているのが現状だね。
 現に、雪片以外の装備が白式に無いよね?」
「ああ、確かに……」
拓海の説明に、一夏は頷きながら答える。
「それが、白式の最大の長所にして短所。近接攻撃力に特化させすぎて、遠距離に対する対策が殆どされてない。
 だから、遠距離戦になると一夏は決定的に不利になるんだ」
そう言って、拓海は説明を続ける。
「そして、一夏がセシリアや修夜に負けるのは、その対策がされてないからだよ。
 射撃武器が無いから遠距離での応戦する事も出来ないし、銃を扱った事が無いから、どういう風に動いたら良いかが分からなくなる。
 ……って言うか、その影響で一夏は無茶な戦い方が目立ってたしね…」
「……確かに」
頷きながら、俺は思い返す。こいつは今でこそ、ある程度戦えるようになっているが、模擬戦開始の頃は無茶な軌道で戦って自滅していた事が多々あった。
弾幕を、無理矢理な正面突破で掻い潜ろうとしたり。こちらがアリーナの壁側と分かっていながら、急加速で突っ込んだのを避けられてぶつかったり。同じ要領で地面に穴をあけたり。セシリア相手に追い詰められているのに、遠距離で零落白夜を発動させ、ガス欠になったり……。
とにかく、コイツのここ最近の珍プレーは、特番が組めるぐらいの数がある。
その都度、俺やセシリアからのアドバイスと実戦経験を積ませる事で、射撃戦における近接戦闘のあり方を覚えさせてきたものだ。
それでも負けてるんだから、不思議なところはあるがな……。
「そこで、そんな一夏に提案があるんだ」
ふと、拓海が武器データをディスプレイに表示する。
そこに映し出されていたのは、白式のガントレットを一回り大きくした様な外観を持つ腕部のパーツだ。
「こいつは……?」
「エネルギー圧縮放射腕部、【六花(りっか)】。蒼羽技研で開発している、白式専用の射撃武器だよ」
質問する俺に対して、拓海はデータを開示しながら答える。
「この武器は、|掌《て
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