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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十八話『一夏の可能性』
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て言うのが多い」
「……確かにな」
試合の動画を並行して観ていると、俺や箒との戦いではほぼ互角に切り結んでいるのに対して、セシリアとの時は距離を取りながら攻めあぐねているのがよく分かる。
拓海の説明に頷きながら、俺は思い返す。
セシリアの場合、一夏の零落白夜の威力やエネルギー無効化についてはもう知っている。
それ故に、彼女はビットやライフルだけに偏らぬように、他の武装を生かす形で戦術を展開して一夏を翻弄している。
なにより、セシリアの成長スピードも“すごい”。
当人が一番驚いているらしく、以前に比べてビットがすんなり言うことを聞いてくれるのだとか。そのおかげか、彼女のビット裁きは以前にも増してキレのある動きを見せはじめている。
正直なところ、今のセシリア相手に俺がソニックで戦っても、5回に2回は負けるだろうと思えるくらいの成長振りだと思う。
「一夏も最初に比べて、少しずつだけど白式を扱えるようになったし、零落白夜も使いこなしてる。
 だから、セシリアに対しての戦いでここまで負け越すってのは正直疑問なんだ。はっきり言うけど、白式って『青い雫』に対して殆ど有利な機体なんだよ?」
「……うぅ…」
拓海の言葉に、渋い顔をして唸る一夏。当たっているだけに、反論できないようである。
「まぁ、原因は技量不足と言うより、白式の構成に問題があるってのが大きいんだけどね」
「どう言うことですの?」
セシリアの質問に、拓海は一度ディスプレイを閉じた後、新たに別のデータを提示する。
「知っての通り、白式はかのブリュンヒルデである千冬さんが使用したIS、『暮桜』が装備している雪片の後継武装を装備している。
 加えて、零落白夜と言う、『暮桜』と同じ単一仕様能力まで持っている。普通に考えれば、これだけでも十分強力だよね?」
「まぁ、そうだな」
箒が頷きながら、拓海に答える。
一夏の姉でこれたちのクラス担任である千冬さんは、世界最強のIS操縦者の称号である【ブリュンヒルデ】の称号を持つ。これはISの世界大会『モンド・グロッソ』の総合優勝者にのみ与えられるもので、すべてのIS操縦者の頂点に立ったことを意味する。千冬さんは世界大会の初代優勝さであり、その腕前はいまだに衰えを見せていないようだ。
「でもさ、千冬さんのように剣のみで戦うなんて言う高等戦術……一夏に出来ると思う?」
『それは無いな(ですわね)』
俺と箒とセシリアが、ほぼ同時に声を揃えて言う。
「……ひでぇ…」
そんな俺達の反応に、一夏が肩を落とすが、事実なのだから仕方ない。
俺から見ても、一夏には確かな才能が眠ってはいるのだが、それだけで千冬さんに追いつけるわけではない。
ましてや、こいつは一度剣を置いた身だ。その感を取り戻すだけでも、最低数ヶ月はかかるのだから、一朝一夕でどうに
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