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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十七話『台風少女の襲来』
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クラス対抗戦が終わるまでは待っていて欲しい。それが終われば、一夏の訓練でも何でもすれば良いさ」
俺もまた、真剣な表情で鈴にそう言う。
「…………」
俺達の表情を見ながら、鈴は一瞬考え込んだ後、ため息をつきながら返事を返す。
「はぁ〜……、分かったわよ。あんたがそういう表情をする時は、どう言ったって譲らないのは付き合いの長さから分かってるしね。
 まったく、相変わらずの勝負馬鹿なんだから……!」
しぶしぶ納得したらしく、鈴は不機嫌な顔でため息をついた。
「こいつばかりは、性分だ。言われたところで直せねぇよ」
苦笑を浮かべながら、俺はそう返す。勝負事に関しては、流石に譲れないところはあるからな。
「それはそうとさ、鈴。気になってたんだけど、親父さんは元気にしてるか?」
少しだけ険悪になった空気を変えようとしたのか、一夏が鈴にそう聞いてくる。こう言う時、こいつの采配が偶に羨ましく感じるな……。
つか、そーいや、鈴の親父さんは中華料理屋の店長だったな。
あそこの中華は中々美味くて、俺の方でも結構研究してたっけか……今だったら、あの味に少しは追いついてる自信はあるが、どうなんだろな。
「と言ってもまあ、あの人こそ病気と無縁だよな」
「確かに、あの親父さんなら年中元気だろうな」
笑いながら言う一夏に、俺も頷きながら同意する。実際、鈴の親父さんは年に似合わず豪快な人だったのは、今でも覚えてる。
偶に自費で食いに行った時には、笑いながら奢ってくれたときが何度もあった。申し訳なくて、お金を払おうとしても、「遠慮するな」の一言で済ますんだもんなぁ……。
あの豪快さは師匠を彷彿とさせていたぞ、あの時ゃ……。
「あ……。うん、元気――だと思う」
だが、明るく話に花を咲かせる俺たちとは対照的に、鈴は表情に陰りが差し、曖昧な返事を返す。
さっきまでゴリ押しなほど勢いがあったせいか、トーンの落ち方が余計に際立っている。
目線も自然と、丼のほうに落としていた。
俺と一夏は、意外な鈴の反応に顔を見合わせた。
何かあったんだろうか……?
「そ、それよりさ一夏、今日の放課後って時間ある? あるよね。
 久しぶりだし、どこか行こうよ。ほら、駅前のファミレスとかさ」
今度は鈴の方から話題の舵を切ってきた。
そのぎこちなさを見るに、親父さんのことはあまり追求しない方が良いようだ。
しかしまた、あのファミレスか……。
「残念だけど鈴、それは流石に無理だ」
俺の返事に鈴が思いっきり睨んできた。多分、邪魔してると勘ぐってるんだろうな……。
「何よ修夜。まさか放課後の約束まで制限するつもりじゃないでしょうね? というか、少しはあたしに気を利かせ……」
「いや、そうじゃなくてな……。あのファミレスは去年潰れちまって、もう無いんだよ……」
「そ、そ
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