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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十七話『台風少女の襲来』
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きつつ、一夏を呼ぶ鈴。
「アンタ、クラス代表なんだって?」
「ああ、成り行きでな。……って言っても、修夜が推薦してきたからなんだけどな」
「ふーん……」
鈴は俺を珍しそうに怪訝そうに見ながら、どんぶりを持ちあげ、箸を持ったままスープを一気に飲む。
つ〜か、男女(おとこおんな)と呼ばれたくなかったら、作法の一つくらい省みろ。それは男の飲み方だ。
「……それで、上手く操縦できてんの?」
鈴は何もなかったように、視線を一夏に戻し、質問を続けた。
「まぁ、クラス代表を決めるためにセシリアと修夜と戦う前までは、上手いことやってたんだけど、ここしばらく不調でさ。
 最近は、ここにいるみんなと一緒に、放課後に練習しているんだよ」
瞬間、鈴の動きが僅かに止まった。何やら、好からぬことを思いついたらしい。
……何考えてるのか手に取るように分かるわ。あえて言わないけどな……。
「あ、あのさぁ。ISの操縦、見てあげてもいいけど?」
さっきまでの素っ気ない態度から一転し、鈴の口調は急にたどたどしくなった。
澄ましてみせているが、俺からすれば、緊張の色が隠し切れていない。
鈴がこういうことを言うときは、十中八九で『一夏と二人っきりになりたい』という見え透いた魂胆がある。
何でこんなに分かりやすいんだよ、コイツは……。
「マジで? そりゃ助か――」
「却下だ、鈴」
だが、俺は一夏の言葉を遮って、鈴に対する返事を返す。
「何であんたが返答するのよ……」
鈴は再び、不機嫌そうに声を上げる。
「一夏が何も考えずに受ける事が目に見えてたからな。それと、対抗戦前から敵に手の内を見せるほど、ここにいるメンツは優しくない」
そう言って、俺は箒とセシリアを見る。二人とも、俺の真意を見抜いているのか、しっかりと頷く。
本音は……まぁ、何時も通りの雰囲気ではあるが、彼女も彼女で俺の言った言葉の意味は理解していると思う。……多分。
「凰さん、本来でしたらあなたの申し出は大変ありがたいと思いますわ。ですが、今はお互いにクラス対抗戦を控えた身……。
あなたの思惑がわたくし達の考えと違いましても、簡単に受け入れられるものではありません」
セシリアが鈴をまっすぐに見据えて言葉を放つ。普通なら一夏の訓練に、代表候補生である鈴も加わることに何の問題点も無い。
だが、今はクラス対抗戦を控えている。
その中に敵である鈴を入れる事は、一夏の戦い方を教える事と同義だ。
「それに、一夏の操縦訓練は私とセシリア、修夜が実践で教えている。
 その中にお前が入ると言う事は、私達に手の内を研究される事と同じだと思うぞ?」
箒もまた、セシリアのフォローに入る。
「うっ……」
その可能性を考慮に入れてなかったと言わんばかりに、言葉に詰まる鈴。
「つ〜訳だ、鈴。悪いが、
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