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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十七話『台風少女の襲来』
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転校してきたのは小五の頭だよ。
 で、中二の終わりに帰ったから、会うのは一年ちょっとぶりだな」
一夏の答えに、箒も納得が言ったように頷く。入れ違いで引っ越したのだから、鈴と面識を持っていないのは当然といえば当然だからな。
「で、こっちが箒。ほら、前に話したろ? 小学校からの幼なじみで、俺の通ってた剣術道場の娘」
「ふぅん、そうなんだ」
一夏の説明を聞いた鈴はすぐに箒をジロジロと見ている。箒は箒で、黙って見返している。
「初めまして。これからよろしくね」
「ああ。こちらこそ」
そう言って挨拶を交わす二人。鈴は若干睨んでいる様な目付きをしていたが、箒はそれを平然と受け流していた。
彼女自身、鈴が一夏の事をどう思っているのか、直感的に理解はしているだろう。だが、再会直後ならともかく、日々の交流で心に余裕が持てた今の彼女にはその程度の牽制はあまり気にしていないようだ。
「……で、そっちの金髪とのほほんとした娘は誰よ?」
箒から目を離した鈴が、セシリアと本音に向かって不躾に言い放った。……いくらなんでも、もう少しマシな聞き方は出来ないのか、こいつは…。
「俺らのクラスメイトである、布仏本音とセシリア・オルコット代表候補生だ」
「よろしくお願いしますわ、凰さん」
「よろしく〜、りんりん♪」
俺の紹介に、挨拶をするセシリアと本音。
「ちょ……、ちょっと、なによ“りんりん”って……?!」
本音の呼び方に、突然声を荒げて身を乗り出す鈴。
――あ〜、そう言えばこいつ……。
「え〜? だって可愛いよ〜?」
「か、勘弁してよ本気で……。その呼ばれ方だけは、絶対に嫌なんだからっ……!!」
首を傾げながら言う本音に対して、睨み付けながら反論する鈴。
こいつは過去に、その出身と名前でからかわれた事が何度もあった。
元はクラスメイトが付けた何気ない愛称だったのだが、いつの世も女子を苛める男子(ガキ)と言うのはいるもの。
出身が中国である事と、愛称のせいでしつこくからかわれ、気の強いこいつが泣き出しそうになった事なんか片手指じゃ足りない程だ。
まぁ、それを見かける度に俺か一夏が庇い、場合によっては大立ち回りをする事もあった。
……そーいや、こいつが一夏バカになったのって、その頃だったような気がするな。
「今更気にしたって、しょうがないだろ。それと、経験者として言わせてもらうが、本音は一度決めた愛称を簡単には変えんぞ」
俺の言葉に、本音を除くメンバーがうんうんと頷いていた。
いや、実際に俺や一夏が何度か説得を試みたんだが、暖簾に腕押しと言うくらいに効き目がないため、彼女に愛称をつけられた面々は、もう訂正を申告するのを諦めている。
「……ま、まぁ、修夜がそこまで言うなら、相当なのは何となく想定できたわ。それよりさ、一夏」
ため息をつ
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