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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十六話『クラス代表就任パーティー』
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ーのような人影があった。
なんというか、ずいぶん逞しい根性の持ち主のようである。
「……懲りるってことを知らんのか、あの先輩は……」
思わず愚痴り、拓海もセシリアも苦笑を浮かべた。
「そういえば、あなたは……?」
「……あぁ、そういえばこういうかたちでは初対面だったね?
 はじめまして、蒼羽技研開発部・主任で修夜の幼馴染の相沢拓海です。
 修夜からは色々聞かせてもらっているよ。
 機会があれば、君の青い雫(ブルー・ティアーズ)も見せてもらいたいかな」
「あぁ、あなたが修夜さんの……!
 はじめまして、連合王国代表候補生セシリア・オルコットです。
 これらも修夜さんから、兼ねがねお話はかがっておりますわ」
爽やかに微笑む拓海と、慇懃にお辞儀するセシリアの対比は、二人の人間性を端的に表しているようで、なかなか面白い構図だった。
ふと一夏の方を見てみると、黛先輩の勢いに押されながら、案の定あがりっぱなしになっていた。

――自分、不器用ですから
――うわ、前時代的! ……まあいいか、適当に捏…

………ギロ

――はぅっ?!(ゾクゾク…!)
――ど…、どうかしたんですか……?

あのゴシップ女、まだ懲り足りないようだな……。
「ホント、懲りるってことを知らないみたいだねぇ……」
拓海は本気で呆れているらしく、珍しく眉を寄せていた。
「セシリア、爪の垢をよこせ。煎じてピッチャーで飲ませる」
「えっ……ええ…?!」
本気でやろうと考えたが、すぐさま拓海がツッコミを入れてきたので未遂に終わった。

お祭り騒ぎの熱が冷めぬ中、宴もたけなわの内に就任パーティは終了したのだった。

――――

ちなみに――

パーティー終了後、後片付けのひとしきり終わった食堂のカウンター席に、俺と残業を終えた千冬さんと山田先生がいた。
俺たちのあいだにあるのは、カウンターに乗った一枚の皿。
「……これだけか?」
「……えぇ、これだけ……です……」
残業の千冬さんと山田先生のために残しておいたはずの料理を、俺がくたばっているあいだにキッチンに侵入し、あまつさえくすねたヤツがいたらしい。その結果、二人のために残っていたのは、エビチリ三尾と付け合わせのサニーレタスだけだった。
「そ……そんなぁ〜〜……」
力なく崩れる山田先生。
疲れていたとはいえ、料理を盗られる隙を見せた俺にも責任はあった。
二人のために作りたいのは山々だが、余計な材料は残っておらず、冷蔵庫は明日の食事の準備で詰まっていた。
生徒が利用できるスーパーはとっくに閉まっている。
すると、皿を見つめて微動だにしていなかった千冬さんが、おもむろに口を開きかける。
「………………れ」
「……はい?」
……何か今、聞こえちゃいけないものが聞こえ
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