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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十五話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・後編』
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過ごした“馬鹿”の姿を、思わず照らし合わせた。
「え……、修…夜……?」
眼を丸くしながら、鈴にとって本来ここに入るはずのない修夜の姿を、まじまじと見て確認する。
「ホン…トに……、修夜…なの……?」
まるで幽霊でも見てしまったかのような態度で、鈴は修夜らしき人物に確認を取った。
「……あぁ、そうだよ……」
石を投げられたことに腹を立てながら、やっと自分の存在を確認した鈴に、呆れつつも“然り”と返す修夜。
「……アンタ、ここで何してんのよ……。……下着ドロなの……?」
「す る か っ !!!!」
鎮静化しはじめた修夜の怒りに、再び鈴が発破をかける。
「どこをどう間違えりゃ、俺が人様の下着なんざ盗まにゃいかんっ!?」
「だって、おかしいでしょ?!
 IS学園に男が制服来て往来してるなんて、普通だったらあり得ないじゃない!!」
闇夜の中で、かつての日常がよみがえる。
「なら、何でお前はIS学園(ここ)にいるんだよ!?
 どう見ても制服が学園のとは違うだろ!!」
「今日転校してきたのよ、そんなことも分からないの、このニブチン!!」
「分かるかっ、なんでそう毎度毎度説明もなしに話を進めんだよ、このスカタン!!」
「誰がスカタンよ、このうすらトンカチぃっ!!」
「誰がトンカチだ、このまな板ぁっ!!」
「なんですってぇ?!」
「やんのか、ぁあっ?!」
今にも顔同士が付きそうなほど、超至近距離で思い切りメンチを切りあう二人。
かつて、こんなやり取りが二人のあいだでは、日常茶飯事でおこなわれていた。
会えばケンカ、口を開けばケンカ、眼が合うだけでケンカ、コミュニケーションはケンカ、駆けつけ一発ケンカ、ケンカ、ケンカ……。
とにもかくにも、真行寺修夜という少年と凰鈴音という少女は、性格的な相性が“凄まじく悪い”かった。
悪いだけならまだしも、何かしらの精神的な波長が合ってしまうのか、お互いがそれを受信し、それを火種にケンカが出来るほど、精神的構造も似通っているらしい。
(ホントにコイツぁ……)
(マジでコイツ……)
((昔っからムカつく……!!!))
激しくメンチを切りあっていたが、しばらくするとどちらともなく引きさがり、互いにため息をつく。
修夜は屈んだままだった身体を立たせ、転んだ際について砂を払って鈴に向き直った。
「……で、なんでこんなトコいるワケぇ?」
さっきまで罵り合っていたとは思えない切り替えの早さで、鈴が話題の軸を元に戻す。ただしその語気から、不機嫌さは抜けていない。
「転校生のクセに、聞いてないのか……。俺、ISの適性が見つかって、今はここに突っ込まれて暮らしてるんだよ……」
修夜はすこし呆れ気味に、鈴への回答を発した。
「……………………………」
鈴が眼を見開き、修夜を見ながら完
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