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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十四話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・前編』
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「あぁ〜〜、織斑一夏君だね。たしか……1組の、クラス代表になってなかったっけ?」
「クラス……なに……?」
「『クラス代表』――まぁ、学級委員みたいなものかな。
 そのクラスの代表として、授業やイベント、クラス間の問題解決の際に、ISでの競技戦も行うんだ。
 基本的には、そのクラスで一番強い人がなるのが通例で……」
少女はそれを聞いて胸を躍らせた。
“自分の一夏”は、知らないあいだにクラスの代表になれるほど、“さらに強く”なっていた。
改めて少女は、一夏への想いを貫いて正解だったと確信した。
それと同時に、引っ掛かる言葉を見つけ出した。
(……え、でも……今…、『1組』って……?)
残念なことに、少女の編入するクラスは『2組』だった。
せっかくの一夏と触れ合える時間が減ったことに、今しがた少女は気がついたのだ。
気がつくと同時に、言いようのない焦燥感が少女を襲った。
ここでもたついていては、あの“スイカの妖怪”に一夏がかどわかされままになる。
いや、そのままならまだしも、きっと“ふしだらな関係”に持ち込んで、一夏を堕落させようとするに違いない。
それだけは絶対に、あってはならない。
「――でもあのイギリス代表候補生と、もう一人の男子生徒の戦いはすごかったな〜。
 三年生のクラス対抗戦もかくやという、ハイレベルな白熱した試合で……」
何か方法は無いか、必死に思考を巡らせる。
職員の長話など、少女の耳にはもう一音も入ってきていなかった。
凝縮した密度の時間の中で、少女はふとある作戦を考えつく。
「あの、クラス代表って、いつ決まったんですか?」
「――特に、あの終盤の展開は……って、…え、代表?
 それならもう、期日までに全クラスから申請が終わって決定したよ?」
出鼻をくじかれた。
だがその程度の障害など、少女にとっては、本国での“地獄の日々”に比べれば容易い壁だった。
「あの〜〜、代表って、『強い人』がなるのが、通例なんですよね〜〜?」
少し猫なで声で、澄まし顔を作って事務職員に視線を合わせる。
少女の胸中は今、政略を巡らす司馬仲達(しばちゅうたつ)の気分を得ていた。

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