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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十四話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・前編』
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ているゼファーと、競り合う戦いぶりを見せていたとは思えない注意だった。
千冬さん曰く、急上昇・急下降は鋭い角錐を連想すればいいとのことだったが、こればっかりは感覚的な問題で個人差が出る。俺も最初は苦労したが、師匠の無茶のお陰(?)ですんなりと感覚を掴むことはできた。……アレはマジで死ぬと思ったぞ。
引き続き、今度は急下降。
千冬さんが地上10cmに完全停止するよう、俺たちに指示を出す。順序はセシリア、俺、一夏で行くことになった。最初はセシリア、無駄のない綺麗な急下降と完全停止を披露した。停止位置は10.2cmを記録、さすがは代表候補生だ。
続いて俺だが、拓海とのテスト運転でこの手の動きは飽きるほどやらされたため、すんなりと成功。記録は10.4cmとセシリアには及ばなかったものの、珍しく千冬さんが感心していた。
そして一夏なのだが――。
本日、この晴天の日のグランドに、たいへん遺憾ながら大穴が空く惨事が起きることとなった。そしてその事故の原因は、1年1組に所属する“男子生徒”によるもので、まったくもって遺憾ながら操縦者によるISの操縦ミスと言う間抜けな行動が原因であり、重ねがさね遺憾ながら、それは俺の幼なじみで、俺と先日に手応えのある勝負を演じた相手であり、初心者マークをぶら下げるには操縦経験でいえばもう外しはじめる段階のはずの男だった。そしてくどいようだが、遺憾ながらその様は、まるで地球侵略に来た宇宙人の生物兵器に舐めてかかり、そいつの自爆攻撃を食らって撃沈した二枚目キャラのようだった。
クラス中が呆気にとられる中、俺と千冬さんは力なくうなだれ、かぶりを振るのだった。

――――

そんなことがあったため、これからアリーナの開放時間を利用して一夏を特訓することとなった。
「まったく、一夏。何故お前は一週間もやったことを、そう簡単に忘れられるんだっ!?」
俺の歩く横で、横で箒が一夏を責める。
いつもなら割って入って治めるところだが、如何せん。今日のは一等ひどかったため、一夏にちょっと鞭を入れる気持ちで、箒を少しほったらかしにしている。
実力は間違いなくあるし、本番にもめっぽう強い。なのに、ああして矢面に立たされると、途端に一夏は変に緊張しだす。昔から、剣道の試合では全然緊張しないくせに、授業中の教科書の朗読とかの類いはガチガチに緊張する、妙な習性がコイツにはあった。
ちなみに二枚目しがった代償として、一夏が空けた直径5mほどのクレーターは、一夏ひとりが実習時間を潰して埋めることになった。一夏は俺やセシリア、見ていた箒やクラスのみんなに救いを求めようとしたが、セシリアは他の女子に操縦のコツ尋ねられてそこに掛かり、箒は情けない一夏の顔を見るや頑として首を振ってその場を去り、俺はと言うと少し助け船を出そうとしたところを千冬さんに止めら
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