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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十四話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・前編』
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を手に入れた以上、弱いままでいる事はできない。才能だけでどうにかなるほど、実践もISも甘くはないんだ。
そして一夏は俺に言った、『優しさを捨てないで救えるように強くなる』と。
「……一夏、お前が本当にその『道』を歩むのなら、今のままでいて良い訳じゃない。
 その力で誰かを『護る』のなら、お前自身が強くならないといけない。その為に、俺はお前を推薦したんだ。
 この選択は、お前を確実に強くする……その確信があったからな」
そう言って、俺は微笑んだ。
「修夜……」
俺の言葉に、一夏は少し考えた後、真っ直ぐな意志を瞳に宿して言葉を紡ぐ。
「……わかった。お前がそこまで言うなら、頑張ってみるよ」
「おう。頑張れよ、クラス代表」
俺はそう言って、一夏と軽く拳同士をぶつける。それと同時に、千冬さんが〆る様に言葉を紡ぐ。
「纏まったようだな。では、クラス代表は織班一夏。異存は無いな?」
『はーい!』
俺と一夏を除くクラス女子全員が一丸となって返事をし、SHRは終了となった。

――――

それから幾許かの時が流れ、四月下旬。
特に何事もなく日々は過ぎ、俺は今日も今日とて授業を真面目に受けている。
「あぁ〜……、疲れた〜……」
夕暮れ時の風を受けながら、校門へと向かう俺と一夏と箒、そしてセシリアと本音。
「しかしまぁ、この前の一週間の特訓がものの見事にオシャカになっていた感じだったな……」
そうぼやく俺に、一夏はそんなことを言うなとテンション低めに反論した。
今思い出しても、一夏の操縦センスにはよくよくムラが多い気がする。

――――

ことの発端は、午後に入っていた『実戦操縦』の授業でのことだった。
場所は実習用グラウンド、天候は快晴。
千冬さん指導のもと、まず俺と一夏とセシリアが、先の代表決定戦でのことを踏まえて手本として引っぱり出された。
まずはISの展開。
俺はエアリオルに意識を集中し、装着したときの感覚を呼び起こす。結果は0.5秒、セシリアも同じぐらいだ。
対して、一夏は矢面に引っぱり出された緊張からなのか、いきなりキョロキョロと俺と先生二人を見まわしてくる。
うろたえる一夏を見かねて、さっそく千冬さんの一喝が入る。それ急かされてか、ようやく一夏は白式のガントレットに手を当て、装甲を展開した。記録にして0.7秒、千冬さんから容赦なく「遅い」と駄目出しがくる。ついでに箒も、ヤキモキした顔で一夏のことを睨んでいた。
続いて飛行の実践。
千冬さんの指示で、俺たちは一斉に上空50mまで飛び上がる。……が、ここでも一夏は俺とセシリアから3秒ほど遅れて到達。そのうえ、止まり損ねて1mほどオーバーしていた。地上でまごついていたのかと思いきや、再び千冬さんの駄目出しが入る、「遅い」と。先日の戦いで、今の俺が展開し
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