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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第二章『凰鈴音』
第十四話『クラス代表の決定と懐かしき転校生・前編』
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四月某日、****空港国際線の降り口に、一人の少女が立っていた。
背は小さく、髪は黄色いリボンで二つに分けて束ね、傍から見れは小学生か中学校に入りたての女の子に見える。
幸いにも今日は快晴、空港のフロアから青々とした空と滑走路を行きかう旅客機を、気持ちよく眺めることが出来た。
だが、ボストンバックを肩から下げた少女の眼に、空も滑走路も移ってはいない。
「……もうすぐ逢いに行くからね、――」
小さく独り言をこぼした少女の視線の先には、待ち兼ねていた再会の風景だけが映っていた。

春の青空の下、大陸からやってきた“第二の台風”は、間もなく一人の少年のもとへ向かおうとしていた。


――――

「では、一年一組のクラス代表は織班一夏君に決定です。あ、一繋がりで良い感じですね♪」
朝のSHR、山田先生が嬉々として喋っている。クラスの女子達も大いに賑わっている。
……そして隣にいる一夏は、呆然と周囲を見ている。
「山田先生、質問です」
しかし、直ぐに気を取り直したのか、手を上げて山田先生に声をかける一夏。
「何故修夜ではなく、俺がクラス代表になっているんでしょうか?」
そして、当然の疑問を聞いてくる。まぁ、当然と言えば当然だが……。
「ああ、それはですね……」
「俺が辞退して、お前を推薦したからだ」
答えようとする山田先生の答えを遮って、さらりと答える俺。多分、山田先生が答えたとしても……。
「何でだよ!? お前は俺やセシリアとの試合で勝ったじゃないか!?」
うん、予想通りの反応が返ってきたな。まぁ、同じ立場なら、俺だってそう言うから気持ちはわかる。
「だからだよ、一夏」
だが、俺が一夏を推薦したのにも理由がある。
「……何がだよ?」
「セシリアの実力は昨日の試合で見た通り、代表候補生として相応しい実力があるからクラス代表に適任だとは思う。
 だが、彼女はさっきの謝罪の件も含めて、クラス代表に就任しないと言った。だよな、セシリア?」
「ええ。理由はどうあれ、昨日(さくじつ)の試合で負けているのは事実ですから」
そう言って、セシリアは苦笑を浮かべる。
そう、彼女はSHR開始直後に、クラスメイト達に対して先週の事を謝罪していた。そして、クラス代表候補については、譲られた場合は就任しない旨も伝えている。
この事は、朝のうちに謝罪されていた俺や一夏達を除き、クラスメイトや山田先生はかなり驚いていたな。まぁ、クラス代表については俺も若干驚きはしたが……。
なお、セシリアが心配していたような奇異の目はなく、それどころか千冬さんが無言で拍手を送り、周りもつられて拍手の波が起きるという事態となった。その後、千冬さんがセシリアの行動を取り上げ、「お前たちも責任の取れる人間になれ」と述べ、セシリアの心配は杞憂に終わったの
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