第九十三話 最後の参戦者
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れた。
「クラウ・ハーケン、ゲルググ――――出撃する」
◇
「どうだ、修理は出来るのか?」
議長の乗っていた機体から何とか逃れることが出来たマーレはルドルフとアレックの二人と無事合流し、援護してもらいつつ何とかラー・カイラムに帰艦することが出来た。しかし、乗っていた機体の損傷が激しい事には変わりない。
腕や足が失っているという事こそないが、機体の全身が損耗している。光の翼によって受けたダメージは相当なものだろう。
「予備のパーツもあるだけ使って騙し騙し使えるといった所ですね。関節部はともかく、直接機体を破壊された部位が無いのが不幸中の幸いというべきでしょう。腕や足がやられていればすぐに直せなかったでしょうしね。関節部のパーツさえ交換、修理すれば何とかなります」
ラー・カイラムの整備士はそう言いながら修理を続ける。
「そうか、なら頼む。すぐにでも出ないと更に厄介なことになるだろうからな」
「わかりました。ただ、分かっているとは思いますが、機体の装甲部の修理は時間もパーツも足りないので損傷の酷い部分を除いて、簡易的な修復になってしまいます。装甲の弱化は避けられませんよ」
整備士は現時点での修理で解決できないであろう留意点を言う。マーレもそれはわかっているのだろう。当たらなければどうという事はないといった様子で「それでも構わない」と言いつつ、ここで自分が居ても邪魔になるというのと、少しでも体を休める為に一旦ロッカールームで休息を取ると言ってその場から離れた。
「おお、遅かったではないか。それで、機体の方は如何なのだ?」
ロッカールームにつくと同時にそう声を掛けてきたのはルドルフだ。彼も流石にこの長期戦で機体もパイロット本人も疲労があった様子から一度休息の為にラー・カイラムに帰艦していた。もう一人のパイロットであるアレックは機体の確認を行ってから休息に入るつもりのようだ。
各々の休み方には彼らの性格というものが現れやすい。細かいことを気にしない性質に資産家という上流階級の立場であるルドルフは、最終的なチェックはともかく残りの確認は全て人に任せて自分は休めるときに休むという考えを持っている。一方でアレックは信頼こそしているが機体を自分で見ないと納得しない性質だ。
そういった関係もあって彼らは休む時間にも差が生まれるのだろう。マーレも性質的にはアレックに近いが彼は自分にとって重要な所以外はあっさりと流す性質なのでアレックよりも先にロッカールームに来ていた。
「機体の修理は一応可能だそうだ。だが、万全とは言い難てえ。アレと戦っている間に下手に不具合でも起きたら確実に落とされる……」
頭に手を当てつつ現状の難点を告げるマーレ。議長の乗っていた機体は桁違いのスペックを誇っていた
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