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魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
『第二十四話』〜会談〜
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 何も言えない私に拓斗君はとどめの一言を言い放った。


「おそらく、管理局は万年人手不足だ。違うか?」


 拓斗君の言う通り、私達には人手が足りない。


「危機感を煽るような事実を聞かせた上で時間をこちらに与える。そうすれば考える事は今回の件になる。世界が崩壊するなんて言われたんだ。そんなことを言われて、大人しく元の生活に戻れるだろうか? 不可能だな。そもそも俺達は危機感が足りていなかったとはいえ、ジュエルシードを放置するのは危険だと判断して今までやってきたんだ。今さら知らん顔出来ない。もしかしたら自分にも何か出来るんじゃないのか? 大抵の人間はそう考える筈だ」


 私と拓斗君以外の全員がはっとなる。


「例えばなのはだったらこう思うだろうさ。家族や友達が危険な目に遭いそうな時、自分にはそれをなんとかする力がある、魔法の力がある……なんてな」

「……うん、私はみんなのためにジュエルシードを集めるって決めたから」


なのはさんが答える。


「なら後は簡単だ。もう一度話す機会が与えられたのだから、その時に協力させてくれと自ら申し込めばいい……それが狙いなんだろう?」

「………」

「タダで手に入れられる協力者、それになのはの魔力はかなりのものだ。お前等からすれば喉から手が出そうなほど魅力的な存在なんじゃないか?」

「そんな……」

 怯えた様子で拓斗君にくっつくなのはさん。その目には恐怖が込められていた。ユーノ君も彼女を守るように立っている。


「か、母さん!! 何か言い返してください! このままでは本当に我々管理局が誤解されてしまいます!」

「そうですよ! 私達にそんなつもりは無い事を説明してください!!」


 クロノとエイミィが声を荒げるが、私には言い返す事ができなかった。


「沈黙は肯定と受け取るぞ」

「ま、まさか……」

「ウソ……」


 二人が崩れ落ちた。この子は一体……恐らくクロノより年下だろうけど、この考え、洞察力、威圧感、どれをとっても異常だ。一体どういった育ち方をすればこんな子に育つのだろうか?

「違うか? もしそうなら俺達が納得するような理由を言ってみろ。そうでないなら俺らは帰るぞ……」


 そう言って席を立とうとする拓斗君達。


「待って!」


 思わず引き止める私に、拓斗君の冷たい視線が突き刺さる。私は誠心誠意頭を下げた。


「……白状します。拓斗君が言ったように、そうなるように誘導したことは事実です。少なくとも私の立場からはあなた達に協力要請をする訳にはいかないから。こんな卑怯な手段を取ってごめんなさい」

「母さん……どうして?」

「理由を聞かせてください」

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