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ドリトル先生学校に行く
第三幕 トミーの到着その十

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「それで私は今は時間があるから」
「僕の家に来てくれたんだ」
「私がタッチ出来ないお話なのよ」
「サラは副社長じゃないのかい?」
「もっと言えば秘書でもあるわよ」
「それでもなんだ」
「そう、おかしな場所には行かないけれど」
 このことはもうチェックしてしかも目付まで置いています、先生と違ってサラはこうしたことは厳しいのです。
「一対一の打ち合わせだから」
「相当重要なものみたいだね」
「そうなのよ、だからね」
 それでだというのです。
「私は主人が打ち合わせをしている間に兄さんの顔を見に来たのよ」
「成程ね」
「そうよ、それでだけれど」
 今度はお茶と三段のティーセットを見て言うサラでした。
「このお茶とセットは日本のものよね」
「うん、そうだよ」
「日本のお茶とセットは向こうの人にご馳走してもらったけれど」
「美味しかったね」
「イギリスのものより美味しくてびっくりしたわ」
 先生にこう言うのでした。
「まさかこんなに美味しいなんて思わなかったから」
「だからだね」
「それでこのお茶とセットも」
「日本のものだからね」
「美味しいのね」
「そうだよ」
「自信なくすわ」
 サラは困った笑顔になってお兄さんに言いました。
「本場のものよりずっと美味しいものを作ってくれるなんて」
「それが日本だからね」
「お水と調味料がいいのね」
「素材もね」
「素材はイギリスもいいけれど」
「作っている人も違うからね」
 それで味が全然違うというのです、同じものであっても。
「だからね」
「それでなのね」
「そう、それじゃあね」
「ええ、頂くわ」
「それじゃあね」
 こうしたことをお話してでした、サラは実際にそのお茶とティーセットを飲んで食べました、そのうえで言うことは。
 笑顔で、です。こうお兄さんに言いました。
「これもね」
「イギリスよりもだよね」
「美味しいわ、憎たらしいまでに」
「おいおい、憎たらしいのかい・」
「私が作るのよりもね」
 それよりもだというのです。
「美味しいから」
「それでなのね」
「そう、美味し過ぎるから」
「憎たらしいんだ」
「どうして日本のお料理はこうまで美味しいのかしら」
「あっ、ティーセット以外も食べたんだね」
「懐石料理をご馳走になったわ」
 それを食べたというのです。
「それがまたね」
「美味しかったんだね」
「お箸を使うことには苦労したけれど」
「あれはコツが必要だからね」
「ええ、けれど小さなお皿に乗せられたお料理が一杯出て来て」
「御飯もだね」
「凄く美味しかったわ」
 その懐石料理もだというのです。
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