二十一 権謀術数
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響かない。しかしながら神農は要塞にいる者全てに宣言するかの如く、絶叫した。
「貴様も貴様の仲間も、そして村の連中も…ッ!この『アンコールバンティアン』から生きては帰さん!!」
激昂し、怒気を全身に帯びた神農が歯を剥き出しにして怒鳴った。眼を血走らせ、憤怒の形相でナルトを睨みつける。変貌した彼の顔に、善人だった神農の面影はもはや無い。
神農が殺気立つにつれ、地下で何かがドクンと脈打った事に香燐は逸早く気づいた。足下からゆっくりと這うように、異常なチャクラが神農の身をじわじわと蝕んでゆく。
それはまるで彼の全身全霊を喰い尽くさんとばかりに蠢く闇そのもの。
そのチャクラを思わず感知してしまった香燐は、悄然とした。神農という男よりも、彼の身に宿る得体の知れないモノに彼女は戦慄を覚える。
後ずさった香燐を目の端で捉え、内心ナルトはやはりと得心がいった。そして、最初の会話で神農をうろたえさせた里の名を再度口にする。
「木ノ葉の里から強奪した巻物を譲っていただこう」
計り知れぬ闇のチャクラをその身に纏った神農を、ナルトは青い双眸で見据える。
彼の瞳は、神農を依身とするその闇すらも慈しむかのような、澄み切った青であった。
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