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Fate/InterlaceStory −剣製の魔術師−
第四話 ー 最低限の覚悟 ー
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身の理想に反していた。……そう。だから俺は……この手で、桜を殺した」
――殺した。その一言に二人は呆然とした。
何時しか自分達にもそのような日が来るのか。
そしてもしその日が来ると、恭也は忍を手にかけられるのか、と。
同時に士郎は間違いなく見た目より遥かな時を生きていることに確信を持った。
そのような事など、見た目通りの年齢で耐えられるわけなどないからだ。
――一体彼は今までにどれほどの絶望を経験してきたのだろうか……。
「――別に俺は忍が吸血鬼であり、恭也がそれを良しとしてることに怒っているわけではない。俺も吸血鬼だし俺の恋人も吸血鬼だ。吸血衝動もそれなりに襲っている。問題なのは君達がその最悪の展開を片隅だけでも頭に入れていなかったということだ」
もう話は終わりにしよう。
そう切り上げると士郎は後ろに振り返り、その場から離れていく。
その背中からは感じる気配は――孤独――その二文字だった。
途中でふと足を止めた士郎は振り返ると優しく微笑んだ。
「――済まない。俺としたことが熱くなっていたようだ。忍やすずかが伝承通りの吸血鬼に堕ちる事など俺は無いと思う。だが覚悟だけは持っていてくれ。もしその事態に陥り、恭也……君が躊躇するというなら――」
――――――その時は俺が代わって忍を殺す。
如何なる理由にせよ数多の命が失う事態など俺には看過出来ないからな。
それだけ言って、士郎は森林の闇の中へと遠ざかっていった。
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