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SAO編−白百合の刃−
SAO12-もう一人の副団長
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知っている?」
「えっと……ヒースクリフとアスナがいるおかげ?」

 血聖騎士団はどうやら、ヒースクリフ直々に声をかけて勧誘するのを聞いたことあった。だから見込みがありそうなプレイヤーを勧誘するのはヒースクリフ。入団したら、アスナの指示で強くなっていき最強とも呼ばれる所以なんだろうとは思った。

「イリ―ナさんを知らない人から言えば、それであっているけど、血盟騎士団が最強と呼ばれるのはイリ―ナさんの指導によってよ」
「そう言えば、指導者って言っていたよね……じゃあ、前線には出ずに、ギルドメンバーを鍛えているってことなの?」
「答えが出たわね。その通りよ。学校で例えるなら、ヒースクリフは校長、アスナは生徒会長、その他の人達が生徒なら、イリーナさんは先生。血聖騎士団にいた私も、今のアスナもイリーナさんの教えによって力をつけられたわ。ストロングスも、バカな短気な人で貴女には簡単にやられたけど、あれでも攻略組の中では上位に入るわ。無論、他の人もよ」

 仮にも二つ名をつけた『閃光』のアスナも『漆黒』のドウセツも攻略組の中ではトップクラスだ。しかも、ドウセツは血聖騎士団の副団長であるアスナとイリ―ナと比べれば、アスナは比べるほどではないと称賛していた。アスナと一度デュエルしたことあるけど、その剣筋は凄まじく、視認さえ困難になる、高速の剣技に驚かされた。そんなアスナも比べられない程の強さで、メンバーを鍛えている人って、どんな化物染みた人物だよ……。
 その人の恐ろしさを強さを感じられていると、目的地の一歩前にたどり着く。ドアの先には先ほど恐ろしいと思ってしまったイリ―ナが待ち受けている。そう思うと、初めてフロアボスの対面する前の緊張感を湧き上がってしまう。

「行くわよ」
「ちょっ……」

 深呼吸する暇も与えずに、ドウセツはノックして答えを待たずに開け中に入った。

「し、失礼します!」

 ドウセツのせいで、一人でドアの前にいることなんてできなくなってしまい、腹を括って部屋に入った。部屋の中は、血聖騎士団のギルド本部の外見が鉄で覆われた寒々しい雰囲気とは違い、壁や家具、椅子などは秋色に統一されていた。だからか、不思議と心が落ち着く。今さっき、緊張していたのが嘘のようだ。

「あら、失礼しますは言わなくてもいいのに……」

 中央に半四角形のウッドテーブルが置かれて、その向こうに椅子に腰掛けて彼女は微笑んでいた。

「始めまして、キリカ」

 彼女が……。

「わたしはイリーナ。アスナと同じ副団長で指導者もやっています」

 ナンバー2、もう一人の副団長、血聖騎士団を最強まで言わせた指導者、血盟騎士団の矛、イリーナ。
 外見は二十代の前半だろか、空色のセミロングヘアに、意外としっかり気味の体系で真紅と純白
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