SAO編−白百合の刃−
SAO12-もう一人の副団長
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兄はこんな発言をした。
「さっさと用を済ませて、なんか暖かいものでも食いに行こうぜ」
「もう、君は食べることばっかり」
アスナは笑っているが、私とドウセツは兄の発言に呆れてしまった。でも、受け身に回るような姿勢じゃないのはちょっと見習いたいところではあるわね。
「食べ過ぎて二等身になればいいのにな、いっそのこと……」
「縮むわけないだろ! ……前から思っていたけどさ、キリカは言葉にトゲがあるけど気のせいか?」
「えぇ」
「あるのかよ!」
いいか、兄。この世には食事という幸福があるのだけど、それだけじゃないってことを私が見本を見せてやるから、ちゃんと悟って今後の勉強に励みなさい。
「じゃあ、私は終わったらドウセツとデ」
「行きましょう」
「ちょっと! なんでスルー!?」
兄もアスナはクスクス笑い、先へ進んで行った。
「もう……素直じゃないんだから」
「…………」
…………。
う、うん。
わかっている。そんな対応でスルーしたんじゃないってことくらいね!
兄達の後を追って、幅広い階段を登る。登った所は大扉が左右に開け放たれていたが、その両脇には恐ろしく長い槍を装備した重装甲の兵が控えていた。
アスナがブーツの鋲を鳴らしながら近づいていくと、兵たちはガチャリと槍を捧げて敬礼した。
「任務ご苦労」
敬礼といい格好といい、軍のイメージが強いのは私だけなのかな? そう思いながらアスナの後に続いて、兵の脇を通り抜け、搭に足を踏み入れる。
搭の一階は大きな吹き抜けのロビーになっていていた。
「アスナ、あとは私とキリカだけでいいから」
「え、でも……わかったわ」
元血聖騎士団のドウセツをアスナは信じることにした。この時点で、ヒースクリフは私を呼んだのではないと確定した。
「じゃね、兄。失礼なことしないでよ」
「お別れの挨拶をするだけだ」
いきなり入ってお別れの挨拶する気か? それ十分に失礼なことだよね。
「そっか。頑張ってね」
「おう」
でも、兄らしいから好きだね。
兄とアスナはヒースクリフが待つ場所へ移動したのを見守っていると、ドウセツは一人のメガネをかけた男性に声をかけた。
ドウセツが知っている人物かと思えば私も知っている。容姿と名前が似合わない男、ストロングスだった。
「お、お前は……っ! 裏切り者と悪口やろう! 貴様らが何しに来たんだ!?」
「悪口やろうって……」
それ、私のことなんだろうな。失礼しちゃうわよ、私だって女の子なんだからやろうってつけないでほしいわ。
そんな気に食わない表情をするストロングスではあったが、ドウセツは冷静に対処した。
「“イリーナ”副団長および指
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