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SAO編−白百合の刃−
SAO12-もう一人の副団長
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において誰もが知る有名人。己のギルドどころか攻略組ほぼ全員の心を掴むカリスマ性。そして何よりも初のユニークスキル『神聖剣』は十字を象徴した一対の剣と盾を使い、攻防自在の剣技を操るその防御力は圧倒的で、一度もHPバーがイエローゾーンになったことはないと言われている。
 そんな人がアスナの脱退を認めないのはなんとなくわかるが、何故条件が兄とデュエルなんだろうか。

「実は、最強が兄になる可能性があるから、その嫉妬で倒そうとかは?」
「そんな人じゃないから、あの人は。無駄な頭を使うのをやめなさい。冗談だとしたら普通につまんないわ」
「す、すみません……」

 わかっていたけどもね! ドウセツの冷たいお言葉も頂くこともさ!

「キリカ」
「ん?」
「お前……本当はわかっているんだろ?」
「何が?」
「俺がヒースクリフに呼ばれた理由」
「…………」
 
 兄って鈍いのか鋭いのかどっちなんだろうね。ある意味起用でただの不器用なのか、どっちなんだろうね。

「なんで、兄はそう思ったのさ」
「双子故の勘だ」

 ようは勘でしょうよ。根拠も確信もないあてずっぽう。そんなんで当てられる側にとっちゃたまんないわね。
 兄の言うとおり、ヒースクリフが脱退を申し出したアスナではなく、何故兄とデュエルすることが条件なのは、なんとなくだけど察しがつく。

「なんとなくだけど……私より直接聞いたほうがいいわよ」
「なんだよ、もったいぶって」
「当たっているかどうかわからないの。どうせ、遅かれ早かれ決めるのは兄なんだから。それよりも、問題は私だよ。アスナ、なんで私も呼ばれているの?」
「そうね、誰に呼ばれたのか私も知りたいわ。と言っても、大体は検討つくけど……」
「え、そうなの?」

 ドウセツはどうやら検討がついているらしい。私はさっぱりわからないとなると、単に推理力が強いだけじゃないってことなんだろう。

「ドウセツはわかっているのね。検討通りよ、キリカちゃんを呼んだ人は」
「やっぱり……」

 検討通りだとわかると、ドウセツは片手を頭に当て、ため息をついた。
 ドウセツとアスナの会話からして、ヒースクリフじゃないことは確かだ。そして、並大抵の相手じゃない人かもしれない。今回は緊急用件で私とドウセツは訪れているんだから。

「着いたわよ」

 歩いて行くと私達は目的地へたどり着いた。
 目の前に一際高い搭、巨大な扉の上部から何本も突き出す銀の槍には、白地に赤の十字を染め抜いた旗が垂れ下がって寒風にはためいている。
 
「ここがギルド血盟騎士団の本部か……」

 流石、最強のギルド。街の雰囲気もあってか、寒々しく威圧感がある。入るだけでも躊躇してしまいそうだ。
 そんなギルドの前で、何を思ったのか、
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