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SAO編−白百合の刃−
SAO11-涙を繋ぐ絆
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ろさないが……急にどうしたのかな?

「やっぱり」
「やっぱり?」

 シリカの瞳が星空のようにキラキラと輝きながら早口目に発言した。

「キリカさんは下ろした方がいいです! いつもより色っぽくて綺麗で可愛いですよ!」
「あ、ありがとう……」

 元からの性格が男っぽいから、あんまり綺麗だとか可愛いとか誉められることないから、妙に恥ずかしいのよね……この店、冷房ないのかな?

「あとキリカさん……今日いいことありましたか?」
「えっ?」

 いいことって言えば誉められたこと? どちらかと言えば恥ずかしいから違うか。

「なんと言いますか……いつもよりも明るくて、いつもよりも嬉しそうな感じですね」
「なによー、まるでいつもよりも暗い奴って、言いたいのー?」
「そ、そう言うわけじゃないです」

 シリカの頬っぺたを軽めにぐりぐりっと、からかいつつも頭を撫でてあげた。
 言われてみれば、シリカの言う通りで、何故だが嬉しさで満たされている私がいる。当然、容姿を褒められたこととは別にね。
 うーん…………私が嬉しいって思っているとしたらあれなんだろうね。

「まぁ、七十四層が攻略出来たからね。そりゃ嬉しい……かな?」
「おめでとうございます。これで後、二十五層ですね」
「そうだね。三分の一まで行ったんだからこのままのペースで百層に到達できればいいんだけどな……」

 あれ? そうなると今までもそうなるよね……。なら、どうしてこんなにも心が温かいんだろう……。

『貴女……ギャルゲー好きで女の子好きの変態だったのね』

『お人好しばかりで呆れるわ。好きにして』

『……庇ってくれて……ありがとう……』

『またね、キリカ』

 ふと、今日、ドウセツと一緒に行動していた記憶を蘇って、じわじわと何故嬉しさに満たされている理由が解明できた。
 クールで愛想なくて毒舌で人のせいにしたり、変な物を食わしたりするくせに、不器用な優しさを持っているドウセツと一緒にいることが……いつもよりも嬉しいってことなんだろう。
 かつては『白の死神』がついた時は、こんなにも嬉しさが満たされる経験なんて想像できなかった。だって、その時が私は独りでバカみたいに前に進んでいた。でも、今日は違う。昨日よりも違って、私の隣には仲間がいた。私は独りじゃなかった。だから、仲間と共に前に進み、戦うってことが嬉しかった。
 そうだとしたら、兄にもわかって欲しい。きっと今でも人に対して壁を作っている。でも、私の出番はもうないかもね……。
 私じゃあ……兄を癒しきれない。

「キリカさん?」

 おっと。ちょっと黙ってしまったから、シリカが様子を伺ってきたわ。今なら、『白の死神』のことを話しても大丈夫かな?
 なんてね。や
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