SAO編−白百合の刃−
SAO11-涙を繋ぐ絆
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っている雫を、『ピナの心』にかければ蘇生出来るよ」
「は、はい!」
「まったく……泣き虫なんだから」
いや、嬉しい涙ぐらいは普通の涙とは違うか、私も泣いちゃったしね……。
シリカは両眼に涙を浮かべながら、シリカは右手の花をそっと羽根に向かって傾けた。
●
私はドウセツと別れた後、シリカからメールにて誘われた。なので、シリカがいる三十五層へやってきた。ちなみにメールの内容はと言うと、
「うわぁ、これ……風見鶏亭のチーズケーキと一緒の味じゃない!」
「はい、頑張ってマスターしました」
シリカがチーズケーキ作ったから試食してくれと頼まれたから訪れてきたのである。
正直驚いた。味、触感、質など、全てがコピーしたようなケーキ。本家よりも越えているんじゃないかと思う。極上な美味に等しく、なによりもチーズだから濃厚で重いかと思いきや、軽くて優しい感じがする。
「うぅ……シリカが作ったケーキのおかげで、今日まで生きて良かったと思えるよ……」
「大げさですよ、キリカさん」
あまりにも美味しいから思わず涙目に感想を言う私を、シリカは微笑んでいた。
もう一口、フォークで救おうとしたら、ペールブルーの綿毛で包んだフワフワした体、尻尾の変わりに二本の大きな尾羽を伸ばした小さなドラゴンが私に向かって飛び込んできた。
「きゅるっ」
「ちょっ、ピナ! 急に膝に乗ってきてって、コラー! 食べるなー!」
それはシリカの友達であるピナであり、チーズケーキを一口くわえては急に膝から離れると、今度は頭部に重みが加わった。
……ピナ、わざわざ人の頭に移動しておいて、たかが一口のチーズケーキ食べるって……いい度胸しているじゃないかな?
焼き鳥ならぬ、焼き竜にするぞ!
「こーら、ピナこっちに来て」
「きゅる」っと鳴いて、ピナはシリカの胸へと降り立つ。
使い魔って大抵言うこと聞かないし、行動パターンなんてランダムに構成されているはずなのに……シリカの言うことはちゃんと応える。例えるなら、本来、感情がない機械に感情を与えて、甘えるようになった感じだろうか。最初に見かけた時も、ピナはシリカを庇った行動は普通ならあり得ないって、MMOに詳しい兄が言っていたとすると、本当に珍しいんだと実感する。
改めてピナのアルゴリズムに肝心し、紅茶を口に入れる。ふと見れば、シリカが覗き込むように見ているじゃないか。なんかついている?
「キリカさん」
「な、なにかな?」
人の顔をジッと見つめてくる。そしてシリカは、意を決して発言をしてきた。
「髪、下ろしてくれませんか?」
「えっ? ま、まぁいいけど……」
普段からサイドテールにしている銀髪を下ろしてロングヘアにする。普段は寝ることしか下
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