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SAO編−白百合の刃−
SAO11-涙を繋ぐ絆
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知っているでしょ? その時の私は好きじゃないから、もうあんなことはしないし、あの頃と比べたら一日二日ぐらい、オレンジになっても構わない、嫌われることなら……慣れているからどうってことない。それに、私がロザリアさんを殺したところで、現実に戻った時、罪になるわけじゃないしね」
「あんた……っ」
「そ、ロザリアさんが言った台詞。私も通用するわ。でもね、私はそんなことしない」

 そう言うわけで、ロザリアさんの手首を掴んで回廊の近くまで引きずりだす。もちろん、ロザリアさんはあらがい抵抗する。

「ちょっと、やめて、やめてよ! そ、そうだ! 貴女とアタシで組まない? あんたの腕があれば、どんなギルドだって思う存分金や宝など取り放題よ!」
「無理」
「どうしてさ!」
「だって……私は、悲しい辛さ、痛みとか、知っているから」

 この依頼を頼んだ時、依頼主はとても悲しんでいた。大切な仲間を失われ、恨んで敵を討ちたいのに……力がないから必死に救いを求め、敵討ちを頼んだ。
 その原因を作ったのはロザリアさん率いる、オレンジギルド『タイタンズハンド』
 彼女達は、人を殺すことを楽しんで笑っていた。そして何にも思わなかった。

「さっき言っていたよね。ここで人を殺しても、本当にその人が死ぬ証拠はない。この世に妙な理屈を持つのが嫌いって……」
「それがどうしたのよ!」
「大切な人を失わせ、傷つけて人を悲しませたりして、悲しむ人を嘲笑うこと、そして人の命と、それに関する人達を巻き込んでなお、なにも思わないロザリアさんみたいな人が行うことは…………例えどの世界に行っても、法がなかったとしても、現実世界と共通でやってはいけないことなんだよ!」

 叫び上げながら、力任せにコリドーに放り込んだ。ロザリアさんの姿が消えた直後、回廊そのものが一瞬まばゆく光って消滅した。
 じゃあね、ロザリアさん。牢屋に放り込んだとはいえ、まだ生きているなら自分が犯した行動を見つめ直して改心することを私は願っているわ。
 終わったか……。

「終わったぁ〜――!」

 小鳥のさえずりと小川のせせらぎだけが流れる春の草原で、おもいっきり背筋を伸ばし、大声を吐き出した。
 ロザリア達を牢屋にぶち込んだから依頼と脅威はこれでおしまい。これで後は、ピナを蘇生して一見落着。
 私は振り返って立ち尽くすシリカに寄った。

「シリカ……大丈夫だったでしょ?」
「あ、はい……」
「もうおっかない犯罪者はいないから、街に帰ったらピナに会えるわ。ごめんね、ちょっと意地悪しちゃって」
「…………」
「シリカ?」
「あ……足が、動けないんです」
「……よし、ここはいっちょ、触手系のモンスターでも誘い込んで」
「ふざけてないで助けてくださいよ!」
「ごめんごめん」
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