prologue
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は薄い桜色。白い肌に、頬にはほんのりバラ色がさしている。
彼女の名はイオリ。イオリ=アーシェルト。《ハーフチルドレン》と呼ばれる存在だ。アキハルとコンビを組んでいる《オペレーター》。同時に、アキハルの同級生でもある。
「おう!」
「最近調子いいわね。ランキングも上がってきてるわよ。見る?」
「いや、いいや。どーせグレイスの奴がトップだろ?」
「ご名答。まったく、憎らしい限りよね〜。あんたも早く順位上げなさいよ。私の株が下がるじゃない」
「順調に上がってんだろ!これ以上何を求むという……」
アキハルは《プレイヤー》の子孫と呼ばれる種族、《チルドレン》だ。しかし現在ランキングトップを独走中のグレイス=ドルガ・エスケティアは、《トッププレイヤー》と呼ばれる最強の戦士たちの子孫。彼自身は《プレイヤー》と《NPC》の混血児である、イオリと同じ《ハーフチルドレン》なのだが、その性能はそこいらのプレイヤーと比べても高い水準にある。
「ったく、何であいつはフィールドに出ないんだろうな」
「さぁ?満足してないんじゃないの、自分の実力に」
「嘘付け。確かもうレベル40近いだろ、あいつ」
「今37よ。あなたより10上ね」
「馬鹿言え。今日上がって9レべ差だ」
「それでも9レべよ。まだ遠いわ」
「……」
グレイスとの差は大きい。しかしそのグレイスですら、この世界では『弱い』部類に入る。つまりアキハルは『もっと弱い』わけだ。
それでも、アキハルは強くならなければならない。
二十年前、父と母が辿り着いたと言われる、伝説のダンジョンの最奥部に行くために。そこに待つ景色を見るために。
この世界の名は《SR004》。二十年の時を経て、いまだに終わりを見せない、本物の《異世界》であった。
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