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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十二話
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情は、あまりにも無垢で安らかなものであった。

「これが一体どういうものなのか、吹っ飛ばしていいものなのかどうかもわからない。下手に触って大惨事、といったことになっては……」
「ええ……」
「こうやって放っておいていいものにも見えないがな」

 ザフィーラが言うのは、スターライトブレイカーを繭にぶつけるということだろう。あれだけの破壊力のある魔法が直撃すれば、もし吹き飛ばなかったとしても無傷ですむことはないと思われる。だが、どうしていいものかわからない以上、勝手な行動で取り返しのつかないことになっては手遅れであるが故、行動の選択も自然と慎重にならざるを得ない。

「せめて兄殿とアスカ殿がいれば、また変わってくるのだろうが……」

 その二人共今はここにはいない。さらに言うと、直人とクロノもいない。各々、別の戦場で戦っている。すると、待ちに待った「彼女」が目覚めた。

「うぅっ……かはっ……!?」
「起きたか!?」
「ゆ、揺らすな……ここは……?」

 そして彼女は起き上がり、シグナムに向き合う。

「目覚めたばかりですまないが、まずいくつか質問したい。大丈夫か?」
「ああ……すまない、癒し手。世話になった」
「ええ、構わないけど……」

 しかし、彼女は仲間であるはずの他の騎士達を何故か名前で呼ばない。

「……さて、時間を取らせてすまなかったな。何から聞きたい?」

 先程とは違い、はっきりとした意思を感じさせる目をしたその姿からは、何かしらの覚悟を決めた者が放つオーラのようなものが漂っていた。その彼女に、シグナムが放った最初の質問は、やはりはやてのことだった。これは全員が気になっていたことでもある。

「それは大丈夫だ。主はちゃんと、私の中にいる。少し待ってくれ」

 それに対して彼女は自信満々に答えると、体を白い光に包む。やがてその光が収まると、そこには彼女とはやての姿があった。車椅子に座って眠ってはいるが、間違いなく生きてそこにいる。

「「主!」」
「「はやて!」」
「「はやてちゃん!」」

 全員の反応を見て安心した顔を見せた彼女は続けた。  

「説明していなかったが、主は私と融合状態にあった。だから、あの力を放出したところで、私と主が離れることはない」
「そうか……主を守ってくれたこと、感謝する」
「礼は不要だ、将よ。普段出てこないから忘れているのかもしれないが、私も騎士だ。心が闇に堕ちようとも、その誇りだけは捨てん」

 彼女はそういうと、握り締めた右拳をシグナムに向けた。それを察したシグナムも、彼女に同じく右拳を合わせる。

「では改めて。久しいな、将よ」
「ああ、そうだな。そういえば、お前の名前は聞いたことがなかったような気がするが……」
「私も
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