暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第8話 「決戦と真実」
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
られるのも無理はない。俺も収束の技術は使うが、使えるようになるまで長い時間がかかった。魔藤師になってすぐの人間――残留魔力まで使用しての収束砲撃なんて簡単に使えるものではない。
 高町は魔法において天才だと思ってはいたが……かなり偏った天才だ。

『レイジングハートと考えた知恵と戦術、最後の切り札。受けてみて、これが私の全力全開!』
『うおぉぉッ!』

 迫り来る脅威にテスタロッサが鬼気迫る顔を浮かべて何重もの防御魔法を展開するが、高町の表情に変化はない。力強い瞳でテスタロッサを見据えたままだ。

『スターライトブレイカー!』

 放たれた膨大な魔力は、テスタロッサの防御魔法に衝突するのと同時に一部が拡散。拡散する魔力はまるで流星群を彷彿させ、海面に落ちると爆発と爆音を引き起こした。
 星を砕きそうな威力を感じさせる雰囲気は伊達ではなく、何重にも張られていたテスタロッサの魔法を簡単に打ち砕く。着弾してすぐに、戦闘空間を壊滅させるのではないかと思えるほどの驚異的な光と音が広まっていった。光の消滅後に映った景色は、黒煙に包まれた摩天楼だった。壊滅していると言っても過言ではない。

「……何て馬鹿魔力だ」

 一部始終を見ていたクロノの感想は最もであり、誰もが似たような感想を抱いているに違いない。俺もエイミィも言葉を失ってしまっているのだから。
 見ている人間の心境を知らない高町は、海中へと潜って行った。落下したテスタロッサを助けに行ったのだろう。
 あんな威力の想像がつかないほどの魔法をもらえば、誰だって気絶するはずだ。敵対しているテスタロッサに同情にも似た感情を抱いてしまうのだから、一生もらいたくない魔法だ。

『ごめんね……大丈夫?』

 テスタロッサを助けた高町は、倒壊したビルの側面に彼女を寝かせている。どうやら気を取り戻しているようで、徐々に身体を起こして立ち上がり、無言のまま宙へと上がった。

「ん?」

 急に現場の雲行きが怪しくなり始め、雷鳴が鳴り始めた。それに気づいたエイミィがすぐさま解析を始める。

「高次魔力確認……魔力波長はプレシア・テスタロッサ」

 さらに戦闘空域に次元跳躍攻撃されるということが判明した。エイミィは高町達を心配する声を上げる。
 禍々しい雲から紫電が落ち始め、海は荒れる。テスタロッサの上空の雲が巻き始め、中心部には膨大な魔力が集まっている。それを見た高町は、全速力でテスタロッサの元へ駆け寄っていく。
 手が届く。そんな風に高町は思い、笑顔を浮かべたのだろう。だが無情にも、高町の手が届く直前、テスタロッサに紫電が降り注いだ。

『フェイトちゃぁぁん!』

 高町の顔は一気に悲痛なものに変わり、少女の名前を叫んだ。それを掻き消すように落雷によって爆音や爆風
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ